教育年報1980年(S55)-186/289page

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期  日 会  場 鑑定数 不適 格数 登録数 左の内訳 審査委員
刀剣 銃砲
56年 1月22日 原町合同庁舎 70 7 63 61 2 平・宇井
2月26日 県庁 112 7 105 99 6 平原・宇井
  772 42 730 693 37  


  2 埋蔵文化財保護事業

(1)遺跡調査体制

  遺跡調査は、その目的によって学術調査・緊急調査に大

 別できるが、近年の急激な開発事業の増大は埋蔵文化財の

 緊急調査の必要性が高まっている。県教育委員会では、こ

 の情勢に対応するため調査体制の強化に努め、

 (財)福島県文化センター遺跡調査課に逐年増員を重ね、昭和55年度に

 4名の増員を行い、20名の専門職員を確保した。専門職員

 の内訳は、センター職員13名、県教育委員会からの出向職

 員7名である。

(2)開発用地内遺跡の保護対策

  開発用地内遺跡の保護は、(イ)遺跡の所在・範囲・種類を

 明らかにする。(分布調査) (ロ)工事等で遺跡が破壊されな

 いように起業者側と保護対策を協議する。(事前協議)の

 やむを得ず工事等で遺跡の現状が失われる場合に、事前に

 発掘調査を実施して記録で保存する。(記録保存)と云う三

 段階がとられる。

 1) 分布調査

   開発地内の詳細分布調査を行い、遺跡の保存対策の資

  料とするもので、表面調査・試掘調査に分けられる。

   表面調査は、国営総合農用地開発事業母成地区(約1,000

  ha)広域農業開発事業阿武隈中部第2地区(約736ha)、

  東北横断自動車道予備調査(郡山〜猪苗代間26km)電々

  公社無線中継塔設置場所(白河〜郡山間20ヵ所)の調査

  を行った試掘調査は母畑事業地区内40遺跡、阿武隈中部

  第1地区43遺跡の試掘調査を実施した。

2) 開発機関との保存協議

   国営総合農用地開発事業母畑地区。広域農用地開発

  事業阿武隈第1地区・第2地区。県営ほ場整備事業

  (鏡石地区・磐梯地区・金山地区・柳津地区・新鶴地区・

  旭地区)など、農用地開発事業に関するもののほか、

  建設省東北地方建設局の道路、河川に関する事業、

  東京電力広野火力発電所建設、東北電力原町火力発電所建設、

  日本国有鉄道、日本道路公団、日本電信電話公社などの

  開発事業に係る埋蔵文化財について保存協議を行った。

3) 発掘調査

   福島県教育委員会では、県営伊達西部ほ場整備地区内遺跡、

  梁川高校プール建設に係る、梁川城二の丸の発掘

  調査を行った。(財)福島県文化センターに調査を委託し、

  母畑事業区内の9遺跡の発掘調査を終了した。母畑地区

  で発掘調査を行った遺跡は次の通りである。   

   須賀川市 大久保A遺跡・沼平塚群遺跡・沼平遺跡・

        沼平東遺跡・細枠城館跡

   石川町 杉内B遺跡・杉内C遺跡・杉内E遺跡

       十三塚E遺跡(調査面積合計 13,400m2)

 4) 市町村主体の発掘調査への指導・協力

   広域に恒る開発事業に係る遺跡の発掘調査は県教育委

  員会が主体者となって調査を行うが、各市町村区内の開

  発事業等に起因する発掘調査は、それぞれの市町村教育

  委員会が主体者となって発掘調査を実施している。現状

  では調査に必要な専門職員を採用している市町村は少な

  く。調査に際しては県教育委員会からの職員派遣等の協

  力を要する例が多い。職員派遣等の協力を行った主な遺

  跡は次のとおりである。

   高稲場遺跡(岩代町)、高山・南堀切遺跡、油王田館跡、

   (安達町)、松長団地内遺跡(会津若松市)、上小島A遺跡

   (西会津町)、馬見塚遺跡(相馬市)、岩下向遺跡・

   松ヶ平B遺跡(飯館村)、郭内模穴墓遺跡(白河市)

(3) 史跡指定調査

 1) 目   的

   歴史上重要な遺跡の史跡指定を積極的に進めるために、

  発掘調査を行い基本的資料を整備する。

 2) 調査対象

   関和久遺跡(白河郡家跡推定地)

    西白河郡泉崎村大字関和久所在

 3) 調査指導

   伊東信雄(東北大学名誉教授)他

 4) 調査期間

   昭和55年10月21日〜12月5日(延23日間)

 5) 調査結果(第9次調査)

   第8次調査(昭和54年度)で検出した「院」の東門と

  推定される八脚門を検出したことから「院」の正面が東

  面であることが判明した。さらに、この八脚門の東側に

  も廂を持った官衛風建物・目隠屏などがあり、別の建物

  群が存在しているものと考えられる。

   出土遺物の中にも「白」・「厨」などの墨書銘のある

  土師器片があり、「白」は白河を示し、「厨」は郡家の

  厨院に関連のあることを示すものと考察される。

 6) 今後の対応

   昭和56年度の第10次調査で、遺跡の北限を確認し、国

  の史跡指定の手続きを行うとともに、郡家の構造を明ら

  かにするための発掘調査を行う。

(4) 埋蔵文化財保証体制充実のための研修

 1) 第8回福島県埋蔵文化財発掘技術講習会

   7月30日〜8月8日 主 催 福島県教育委員会

             後援白河市教育委員会

   会場白河市歴史民俗資料館・太陽の国厚生センター

   実習地 白河市高山 南堀切遺跡

   参加人員 20人(市町村文化財担当者・教職員等)

 2) 奈良国立埋蔵文化財センターでの研修

   埋蔵文化財発掘技術者講習会

   ・文化財基礎講座 55年6月9日〜6月13日

    大河内光夫(本宮町歴史民俗資料館)

   ・一般研修       7月23日〜8月28日

    阿部俊夫 ((財)福島県文化センター)

   ・縄文式弥生遺跡調査課程9月25日〜10月4日


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