教育年報1980年(S55)-268/289page

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 指針を提示している。

(3)必要に応して、知能検査・性格検査等の諸検査を実施し

 て、その結果を学校に連絡し、指導の手がかりとしてもら

 っている。

(4)学校からの要請によって、学校で行われている教育相談

 の諸問題について指導している。

 3 教育相談の実施状況

(1)相談者の延べ人数
年 度 幼児 小学生 中学生 高校生 一般 教員
昭和55年度 322 192 260 130 76 34 1,014

(2)相談者の内容別延べ人数
内容別
年度
面   接   相   談
知能学業 性格行動 身体神経 進路適性 教育一般
昭和55年度 40 819 131 1 23 1,014

(3)相談者の地区別延べ人数
地区別 県北 県中 県南 会津 南会津 いわき 相双
相談者数 713 154 28 48 1 31 39 1,014

(4)教育相談の現状と課題

 1) 来談者を対象別にその内容をみると、幼児は自閉症・

  自閉性言語発達遅滞、小中学生は登校拒否、高校生は登

  校拒否・神経症の相談が多い。

 2) 全体を内容別にみると、登校拒否が圧倒的に多く、全

  体数の38%を占めている。

 3) 問題行動の早期発見に努め、症状の軽微なうちに対応

  を考えなければならない。 

 4) 子供の能力適性に目を向け、悩みに心を配るための教

  師と子供の信頼関係を深める配慮が必要である。

  第5節 教育資料

 1 教育資料の収集・整理     

 当教育センターにおける研修、研究、相談事業の充実と、

県内各学校の教師の研究活動、教育実践の推進に寄与できる

よう、教育図書・資料の収集・整理につとめ、教育に関する

図書・資料センター的機能を果たしうるよう努力してきた。

(1)教育図書・資料の収集・整理・保管

  教育図書は、本年度413冊の増加を図り、蔵書数は、

 18,216冊となった。特に教育課程の改訂に伴い、小・中・

 高等学校の教育課程に関する図書については、継続して整

 備を図った。

  教育資料については、全国各教育機関や研究機関との交

 流・交換等によって、紀要、研究報告書等の収集に努める

 とともに、県内各学校の研究物等についても積極的に収集

 し、886冊にのぼり、総資料冊数は、15,563冊となった。

  教育関係定期刊行物については、県費購入及び寄贈等に

 より、70種類の定期刊行物を常備することができた。

  上記の整理、保管について、図書はNDC、教育資料は

 原則として、都道府県指定都市教育研究所長協議会作成によ

 る「教育資料分類基準」により分類、配架した。

(2)教育図書・資料の利用

  本年度の利用者は、当教育センターの研修者をはじめ、

 県内教職員・高校・大学生・一般教育研究者等延べ約3,120

 名であった。

  教育資料の貸し出しについては、1人2冊以内3週間と

 規定しているので、この規定に従って実施してきた。

(3)教育センター所報ふくしまの発行

  県内各学校の教育実践に関する資料並びに、研究の情報

 を提供するため、当教育センターにおける研修・研究・調

 査、相談事業の成果を中心に編集し、第46号〜第50号を刊

 行し、県内公立小・中学校並びに県立各学校及び県外資料

 提供教育機関への配布をおこなった。

(4)教育資料件名目録の発行

  全国の教育センター並びに教育研究機関からの紀要等の

 中から、研究論文が10ページ以上のものを分類して、約

  1,800件にのぼる資料件名目録第V号を刊行し、県下全市

 町村教育委員会及び公立小・中学校、県立学校へ配布した。

(5)その他のサービス

 1) 文献・資料等のコピーサービス…所外依頼件数 68件

 2) レファレンスサービス……………所外依頼件数74件

 3) 教育資料等の貸出し………………所外貸出し件数128件

  2 教育資料の刊行

(1)学校経営評価に関する研究(第2・3年次)

  学校経営評価の理論と実際について調査研究した第1年

 次の成果と課題を基盤に、学校経営の現代化をめざす学校

 経営評価のあり方を究明した。研究紀要第43号で刊行した。

(2)学習指導に関する研究「個を認める研究」

  本研究は、子供が真に学習そのものに、興味と関心と喜

 びを持って、自ら学習に取り組むようにする一つのきっか

 けを与えるものとして「個を認める働きかけ」をとらえ、

 その効果的あり方を追求した。小学校国語・算数、研究紀

 要第41号で刊行した。

(3)教育相談の基礎的研究

  「教育相談における心理検査の活用」

  心理検査についての基本的な考え方を概説するとともに、

 各学校で共通的に問題とされる心理検査の活用のあり方を

 事例を通して教育相談への生かし方等を述べ、解明を図っ

 た。研究紀要第42号で刊行した。

(4)新教育課程の実施に関する研究

  学習指導の改善・充実をはかるため、主として新教育課

 程実施上の配慮事項にかかわる研究で、高等学校国語、美

 術、情報処理、中学校技術・家庭、小学校理科及び特別活

 動における「話し合い活動」、教育相談では「心身に障害を

 もつ子供め指導に関する研究」をまとめた。紀要44号。

(5)習熟度別学習研究の手引き

  教育課程全般に及ぶ学習指導法の改善を視点として、体

 系的に追求しようとした。研究資料として刊行した。


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