教育年報1980年(S55)-271/289page
福島県立図書館
第1節 概 要
1 運営の重点
生涯学習センターとして県民の多様な資料利用に応える
ため、資料の整備充実を図るとともに、市町村立図書館や公
民館図書室等に、対する資料や調査相談業務への援助につとめ
た。
(1)資料の整備
基本図書の収集整備を図るとともに、郷土資料の収集に
あたっては、県内の出版物は勿論のこと、東北地方の出版
物をも収集した。
(2)調査相談業務
参考図書の充実と相まって、相談業務の範囲、件数も著
しく増加し、県内図書館の相互貸借等も活発化を見るに
至った。
(3)移動図書館の運行
市町村との連けいを密にし、利用状況を考慮し、貸出冊
数、巡回経路、駐車場の設置等に利用者の希望を尊重した。
(4)親子読書文庫の充実
当初予定した30セットもようやく実現し、利用先もボラ
ンティアによる地域・家庭文庫等が過半数を占めるように
なった。
(5)読書普及活動の推進と職員の研修
市町村読書施設への一括貸出しを積極的に行なうととも
に、職員の実務研修の場を多く設け、専門職としての資質
の向上につとめた。
2 図書館協議会
(1)委 員
任期2年目の委員は次の各氏であるが、委員の転勤、転
職等により選任替えが行われた。委員は次のとおりである。
池田善治 福島県議会議員 55 12 19辞任
大川原栄喜 塩川町公民館長
小林忠道 福島商工会議所専務理事
斎藤正夫 福島県立川俣高等学校長 55 11 12辞任
高橋哲夫 福島県文化センター館長
高山聡 福島県信用保証協会専務理事
深谷タケ 岩瀬郡連合婦人会長
辺見正治 福島市教育委員会教育長
堀口知明 福島大学教育学部教授
南沢馨 NHK福島放送局長 55 11 12辞任
平山正秋 福島県立福島女子高校長 55 11 12就任
高僑雄亮 NHK福島放送局長 55 11 12就任
三浦一 福島県議会議員 55 12 19就任
(2)委員会の開催
第1回 昭和55年7月23日
・昭和54年度事業執行状況について
・昭和55年度事業計画について
・昭和55年度当初予算について
・そ の 他
第2回 昭和56年1月30日
・福島県立図書館利用規則の一部改正について
・昭和55年度当初予算要求の概要について
・新県立図書館建設計画の経過について
・中島文庫の設置について
・そ の 他
第3回 昭和56年3月23日
第4回 昭和56年3月24日
・昭和55年度事業実施状況について
・新館開館に伴う準備等について
・そ の 他
第2節 整理事務
1 図書館資料の収集
(1)一般資料の収集
県立図書館としての重点目標である調査相談業務の充実
のため、資料収集の面では、昨年度に引きつづき、参考図
書の整備をはかるとともに、市町村立図書館や個人では備
えることが困難な「資料集」の収集に力をいれた。
基本的な「資料集」として、「増補史料大成・続増補史料
大成」「明治中期産業運動資料」「英語教育史資料」
「太政官日誌」「編年百姓一撲史料集成」「大衆芸能資料集成」等
がある。
児童図書の研究資料としては、よく知られている
「オズボーン・コレクション」の複刻版、「ほるぷ世界の絵本」も
収集することができた。
他方、本年度は、会津若松、福島、郡山の各市で「みち
のくの本1,000点フェア」が開催されたこともあって、
東北各県で出版されている本で、内容的に優れたものを、お
よそ100冊を収集した。これらの本は、東北各県の県民性
が脈づいており 「地方小出片反こそが出版の原点」といわれ
ている今日、地方出版物の収集には、今後とも力を入れて
いきたい。
受入れ状況は表1のとおりである。
表1 資料の受人れ整理状況
区分 購入 寄贈 編入 管理換 計 一般図書 (館内) 3,423 2,453 231 5 6,112 (館外) 4,186 752 4,938 児童図書 (館内) 677 241 0 0 918 (館外) 5,481 766 6,247 計 (館内) 4,100 2,694 231 5 7,030 (館外) 9,667 1,518 11,185 合 計 13,767 4,212 231 5 18,215