教育年報1981年(S56)-277/308page
福島県立図書館
第1節 概 要
1 運営の重点
県民の生涯学習センターとして多様な資料の利用に応え
るため、資料を積極的に収集するとともに、県内公共図書館
、公民館図書室等と協力提携し、館内外において有効適
切な奉仕活動を展開して、県民文化の発展に寄与するよう
っとめた。
(1)資料の整備
基本図書、参考図書、郷土資料等の充実をはかるため、
各分野に亘って計画的に収集整備を行った。
(2)調査相談業務の充実
社会科学、自然科学、新聞雑誌等の各分野毎の情報を
整備し、県民の利用に供するとともに、図書館間の資料
相互利用を活発に行った。
(3)移動図書館の運行
町村読書施設との連携を密にし巡回経路、利用状況
を考慮して、公民館、団体等に貸出し、町村の読書活動
を援助した。
(4)親子読書文庫
地域のボランティアによる文庫活動もようやく拡大
し、31文庫中、22文庫が地域の母親の手によって運用さ
れるようになった。
(5)読書普及活動の推進と職員の研修
市町村読書施設への一括貸出も2年目となり、19市町
村へ17,786冊を貸出した。図書館大会をはじめ、分野、
対象別に各種の研修会を開催して職員の資質の向上をは
かった。
2 図書館協議会
6月15日新たに次の方々が選任され、4回開催された。
(1)委 員
遠藤正二 福島県議会議員
小林忠道 福島商工会議所専務理事
光野タチ子 福島県婦人団体連合会常任理事
高橋雄亮 NHK福島放送局長
高山聡 福島県信用保証協会専務理事
武田守 福島市中央公民館長
下山政一 福島市立瀬上小学校長 56.10.16就任
平山正秋 福島県立福島女子高等学校長
辺見正治 福島県社会教育委員
堀口知明 福島大学教育学部教授
塙保貞 福島市立第一小学校長 56.10.16辞任
(2)協議会の開催
第1回 昭和56年7月13日
・ 図書館協議会の設置について
・ 図書館の組織・機構について
・ 昭和56年度運営方針と事業計画について
・ 昭和56年度予算の概要について
・ 新館建設計画の経過について
第2回 昭和56年12月17日
・ 昭和57年度当初予算要求概要について
・ 新館建設の計画について
・ 寄贈資料の受入について
・ 「昭和56年度福島県公共図書館・公民館図書室の概況」
について
第3〜4回 昭和57年2月18〜19日
・ 昭和57年度当初予算内示額について
・ 昭和56年度事業実施状況について
・ 郡山分館移転に伴う旧館(財産)の用途廃止に
ついて
。 新館備品等の配置計画について
第2節 整理事務
1 図書館資料の収集
(1)一般資料の収集
県立図書館は、資料保存センター、調査相談センター
といわれており、基本図書、参考図書等の充実をはから
なければならないのはいうまでもない。本年度は、基本
図書の収集に力をいれ、なかでも、「全集」「叢書」等の
収集に意を用いた。その主なものとして「戦国合戦絵解風集成」
「新編林子平全集」「江馬務著作集」「水谷不倒著作
集」等がある。
また、昭和56年は「国際障害者年」ということもあって、
弱視者用の大型活字本が刊行されたのを機会に収集する
とともに、障害児教育関係の図書も多数収集した。研究
資料としては、水野仙子、高村智恵子等の県人も関係した
"元始女性は太陽であった"で有名な「青踏」の複刻版、
美術書では、アンドリュー・ワイエスの画集、「ワイエス」
、「Two words of Andrew Wyeth Thomas Hoving」
等を収集した。寄贈図書のなかには、「ザ・ベストテン」
のようにテレビで話題となった図書とか、「国典類抄」
のように貴重なものもある。
受入れ状況は(表1)のとおりである。
〔表1〕資料の受入れ整理状況
区 分 購 入 寄 贈 編 入 管理換 計 (館内)
一般図書
(館外)3,410
3,7052,318
1,254182 5,910
4,959(館内)
児童図書
(館外)1,026
3,384907
1,3191,933
4,703(館内)
計
(館外)4,436
7,0893,225
2,573182 7,843
9,662合 計 11,525 5,798 182 17,505