教育年報1981年(S56)-278/308page

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(2)郷土資料の収集

  郷上資料は今年度の傾向として、中央の出版社から刊

 行されるものが多くなり、特に「目明し金十郎の生涯」、

 「炎のように火のように」等全国的な話題作となったも

 のもある。県内では歴史春秋社から刊行されるものが多

 く、「庄司吉之助著作集」、「会津鑑」等は研究者に恩恵

 を与えている。

  また、昨年は自由民権運動100年ということで、「河野広中小伝」

 、「写真図説・福島自由民権史」、「増補・福島事件」、

 「高橋由一と三島通庸」、「マイクロフィルム版・会津民史」

 等の関係資料が刊行された。

  本年度に収集した郷土資料は1,847冊で、昨年度より

 多く、このなかには、前記の図書は勿論のこと、「福島県地名大辞典」、

 「相馬野馬追」、「公立藤田病院史」、「いわきのお寺」

等の労作のほかに「二本松市史 第3巻」、

 「いわき市史 第11巻」、「原町市史 続編」、「三春町史第9巻」、

 「保原町史 第4巻」、「東和町史 第2巻」等

 を含んでいる。「女傑ジャンヌ(水野仙子著)」のような

 稀観本も入手した。

  さらに、昨年度に引きつづいて、「(財)福島県文化振興基金」

 で助成された図書が寄贈され、このなかに「村の野仏たち、」

 「三貫地遺跡」等がある。

(3)新館用図書の収集

  新館用図書として、基本図書、参考図書、児童図書の

 研究書等を11,549冊収集した。

  2 図書館資料の整備

(1)蔵書の検討

  蔵書については、館内に設けられている収書委員会に

 おいて、慎重に検討を重ねているが、より適切な蔵書構

 成を図るため、専門家による蔵書診断を年次計画ですす

 めている。本年度は芸術部門について実施したが、委員

 は次のとおりである。

  磯崎康彦 福島大学助教授 美術史

  白沢菊夫  〃  助教授 彫刻

  梅宮英亮  〃  助教授 絵画

  須田哲夫  〃  助教授 書道

  平田公子  〃  講師 音楽

  中村民雄  〃  助手 運動競技

(2)蔵書目録の刊行

  所蔵資料の全県的な活用を図るため、毎年編さんされ

 ているもので、本年度は55年度に受入れた3,424冊につ

 いて、増加図書目録として刊行、市町村教育委員会、公

 民館、市町村立図書館等に配布した。

第3節 館内奉仕

 1 利用状況

 資料利用は、公開図書室における館外個人貸出と、調

査相談室における館内閲覧が中心となる。登録者数は前

年度に比し、2%増加している。

 一般成人の利用は増加しているが、大学生は減少して

いる。これは福島大学の図書館が新築され、各種施設が

整備されて、学生は大学内で間にあわせることと、距離

的に遠くなったことが原因と考えられる。〔表2〜3〕

〔表2〕館外個人貸出登録者数

               (昭和56 4〜57.3)
区   分  計 構 成 比
勤め人 598 33 928 16%
自家営業 135 33 168 3
主婦     538 93
学生 大学 433 439 872 15
高校 236 389 625 11
中学 173 202 375 65
各種 20 66 86 15
862 1,096 1,958 (34)
無職 137 102 239 42
1,732 2,099 3,831 (665)
児童     1,927 335
合計     5,758 100

〔表3〕館外個人貸出利用者数

        (昭和56.4〜57. 3)
区   分 人   員 構 成 比
勤め人 5,307人 16.5%
自家営業 902 2.8
主婦 3,986 12.4
無職 1,647 5.1
学生・生徒 5,935 184
家族券 231 07
児童 14,252 44.1
32,260 100

 開館日数         275日

一日平均利用者数   117人

 貸出冊数については、前年度に比し、1%増加してい

る。利用された図書は、文学、社会科学、歴史地誌、芸

術部門の順で、文学部門では、現代小説が多く利用され

ている。また、テレビ等での話題作の利用もめだった。

全体的には、仕事や生活の上で必要な実用書の利用が

多かった。

 調査相談室では、事典・年鑑類にかぎらず、各種の参

考資料を公開しているが、なかでも、郷土資料コーナー

(1,200冊)の利用は特に多い。これらの参考資料は、

自由閲覧のため、統計にはあらわれないが、かくれた利

用の多い部門である。同じく公開の各種新聞・雑誌の利

用も多かった。今後は、雑誌のバックナンバーをもっと

てがるに利用できるようにしたい。


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