教育年報1982年(S57)-112/316page
第2節 学 校 教 育
1 概 要
(1)指導行政の基本方針
生徒の能力・適性・進路・興味・関心等を十分考慮し、
地域や学校の実態に応じた教育指導の充実を図りながら、
人間性豊かな生徒の育成を目ざして、学校教育活動が活発
に展開されるよう努めた。
特に本年度は、新学習指導要領による教育課程の実施初
年度であることから、前年度の反省をも踏まえ、次の重点
目標を設定してその達成に努めた。
1) 生徒の実態等を踏まえ、各学校が主体性をもって、多
様な教育課題の編成や実施を行い、特色ある学校づくり
ができるよう指導援助する。
2) 指導内容の精選と構造化に努め、生徒一人一人を生か
す指導方法の改善・工夫が図られるよう指導援助する。
3) 生徒指導の組織・体制を点検するとともに、教職員の
共通理解を基盤として、中学校や家庭との連携を深めな
がら、生徒理解に基づく指導が展開されるよう指導援助
する。
4) 生徒の学校生活への適応を促進し、中途退学者の減少
及び生徒非行・生徒事故の防止が図られるよう指導援助
する。
5) 教職員の資質と指導力の向上に努める。
6) 勤労にかかわる体験的な学習及び産業教育、情報処理
教育、科学技術教育の充実を図るとともに、施設設備の
整備に努める。
(2)指導組織
高等学校教育課長を中心に、次の人員が一体となって、
それぞれの分掌に従い、企画・運営・指導助言に当たった。
主 幹 1名
主任指導主事 1名
指導主事 16名
(うち、駐在指導主事 6名)
また、県立高校教諭32名を学校教育指導委員に委嘱し、
各教科の指導活動の充実強化を図った。
(3)学校教育指導の重点
前記の基本方針に基づき、指導の重点を次のように設定
し、指導の充実を図った。
1) 教育課程の適正な運営と指導法の改善を図る。
ア 教育課程研究集会を開催し、新学習指導要領の趣旨
に基づく教育課程の運営と指導法の改善について、研
究発表並びに研究協議を行った。
イ 教育課程研究会議を開催し、新生徒指導要録の記入
と評価評定のあり方について検討し、手引書(指導資
料第16集)を作成、配布した。
ウ 文部省指定研究学校(習熟度別指導、勤労体験学習)、
県指定研究学校(学習指導、視聴覚教育、農業基礎)
における研究実践の推進を図り、その成果の普及に努
めた。
エ 教務主任研修会を開催し、教育課程編成上の諸問題
及び評価内規の改善運用について研究協議を行った。
オ 教育課程編成訪問により、特色ある学校づくりの観
点から新教育課程の編成と指導法の改善について指導
助言を行った。
力 特別活動講習会を開催し、勤労体験学習の進め方に
ついて研究協議を行った。
キ 各種研修会、学校訪問等を通して、学習指導に関す
る下記事項の徹底に努めた。
(ア)教科科目の目標を明確にとらえ、指導内容を重点
化して基礎学力の充実を図ること。
(イ)教材の特性に即して指導法に工夫を加えるととも
に、学習指導の個別化に努めること。
(ウ)学習効果を高めるための評価の方法について研究
し、改善を図ること。
2) 生徒指導の充実を図る。
ア 校内における指導体制の確立を期し、各種研修会、
学校訪問等を通して、教職員の共通理解と同一歩調に
よる生徒指導の充実に努めた。
イ 生徒指導研究会議を開催し、生徒の問題行動の分析
検討を行い、指導資料第17集「窃盗行為、薬物乱用を
防ぐために」を刊行、配布した。
ウ 高校1年生の保護者を対象に、家庭における指導の
ためのパンフレット「育てようすこやかに」を配布し
た。
エ 文部省指定研究推進校「ホームルーム指導」、県指定
研究校「規律ある生活、中高連携、社会参加活動」に
おける研究実践の推進を図り、その成果の普及に努め
た。
オ 生徒指導推進地域を指定し、中・高及び関係諸団体
が一体となった地域ぐるみの生徒指導の推進に努めた。
力 生徒指導担当者研修会を開催し、生徒の多様化に即
した生徒指導のあり方について研究協議を行った。
キ 学校における教育相談活動の充実改善を図った。
3) 進路指導の適正化に努める。
ア 進路指導主事研修会、進路指導講座等を実施し、下
記事項の徹底に努めた。
(ア)日常の接触や諸調査・諸検査の実施を通して、生
徒の能力・適性・進路の希望等を的確に把握するこ
と。
(イ)生徒の自己理解の促進に努めること。
(ウ)進路に関する情報や資料の収集に努めるとともに、
その効果的な活用を図ること。
(エ) 組織的・計画的な進路相談の充実に努めること。
イ 研究学校を指定し、研究実践の推進を図った。
(4)教職員の資質の向上と学校運営管理の充実
1) 現職教育の充実
ア 校内における研修体制の充実改善を図った。
イ 研究会、講習会等への積極的参加を促進し、指導力
の向上を図った。
ウ 自己研修の充実により、教職員の能力が効果的に発
揮されるように努めた。
2) 学校管理運営の適正化
ア 適正な学校運営の努力目標を定め、その到達度を客