教育年報1982年(S57)-283/316page
福島県立図書館
第1節 概 要
1 運営の重点
県民の学習センターとして多様な資料の利用に応えるため、
各種図書館資料を積極的に収集して、館内において有効適切
な奉仕活動を展開するとともに、県内の公立図書館、公民館
図書室、各種の機関、団体等に対する資料の貸出を行ない、
図書館振興に関する行事を行って、県内図書館の中核として
の機能を発揮し、図書館活動の振展と県民文化の発展に寄与
するようにつとめた。
(1)資料の整備
利用者ならびに市町村図書館等に対する調査相談業務の
強化を図るため、特に歴史・法律部門の蔵書診断を実施し、
基本図書、参考図書それに県人の著作物等の収集整備につ
とめた。
(2〕調査相談業務
社会科学、自然科学、新聞雑誌、特許公報等、分野毎に
情報を整備し、県内外の図書館との相互貸借を活発に行っ
た。
(3)移動図書館の運用
市町村図書館等と協力体制を密にし、それらに一括貸出
しを行って、読書活動の活発化を図った。
(4)親子読書文庫
子どもの読書力に応し、情緒発達に資するものを配本し、
適切な助言指導を行って、文庫活動も着実に地域に根を下
すようになった。
(5) 読書普及活動の推進と職員の研修
17市町村へ20,041冊の一括貸出しを行った。行事として
は、図書館大会、各種の研修会を開催して、職員の資質向
上を図った。
2 図書館協議会
本年度の委員は次の方々て、4回開催された。
(1〕委 員
遠藤正二 福島県議会議員
小林忠道 福島商工会議所専務理事
光野タチ子 福島県婦人団体連合会常任理事
高橋雄亮 NHK福島放送局長 57.8.3辞任
高山恥 福島県信用保証協会専務理事
武田守 福島市中央公民館長 57.8.5辞任
下山政一 福島市立瀬上小学校長
平山正秋 福島県立福島女子高等学校長
辺見正治 福島県村会教育委員 578 5辞任
堀口知明 福島大学教育学部教授
今泉修蔵 郡山市中央公民館長 57.8.5就任
鈴木完一 福島県社会教育委員 57.8.5就任
田中寛之 NHK福島放送局長 57.8.26就任
(2)協議会の開催
第1回 昭和57年8月25日
・ 昭和57年度県立図書館の運営方針と事業計画について
・ 昭和57年度県立図書館予算の概要について
・ 新館における電算化システムについて
第2回 昭和57年12月15日
・ 館内の一部模様替について
・ 新館建設の進捗状況について(現場視察)
第3回、第4回 昭和58年3月9日〜10日
・ 昭和57年度事業実施状況について
・ 昭和58年度事業計画について
・ 昭和58年度当初予算概要について
・ 館内の模様替について
(会場はいつれも福島県労働福祉会館において)
第2節 整 理 事 務
1 図書館資料の収集
(1)一般資料の収集
今年度も従来に引き続いて基本図書、参考図書の充実に
力をいれた、参考図書の主なものとしては、図書館関係の
労作である[図書館年鑑 1982」「図書館用語辞典」「学校図
書館事典」や「日本年號大観」「岩波日中辞典」等がある。
全集、資料集の主なものでは[加藤楸邨全集」「辻潤全集」
「定本原民喜全集」「戦後日本教育史料集成」「日韓外交史料」
等がある。高価な美術書では「日本画素描大観」「柳宗悦蒐
集民蔓大鑑」「沖縄文化の遺宝」「茶壷」「桂離宮」等がある。
寄贈図書のなかには、昭和56年の国際障害年を反映して、
心身障害者全般にわたる図書を網羅的に収録した「心身障
害者関係文献目録 1945-1981」や最も基本的な統計著で
ある「1980年世界農林業センサス」等がある。その他、
寄贈図書として目をひくものに「南極観測25年史」「日本銀
行百年史」「三省堂の百年」「早稲田大学百年史」等がある。
昭和57年は 「教科書問題」が国際的にクローズアップされ
たので、従来、小学校の教科書のみを収集していたが、今
年度からは中学校、高等学校の教科書も収集しはじめた。
受入れ状況は(表1)のとおりである。
(表1)資料の受入れ整理状況
区分 購入 寄贈 編入 管理換 計 一般図書館内 4831 2412 199 7 442 館外 4589 1889 6 478 児童図書館内 1489 321 1 810 館外 4286 1881 6 167 新館用図書館内 11706 11 706 計館内 18026 2733 199 20 958 館外 8.875 3770 12 645 合計 26.901 6503 199 33 603