教育年報1983年(S58)-120/323page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

  第2節 学校教育

 1 概     要

(1) 指導行政の基本方針

  生徒の能力・適性・進路・興味・関心等を十分考慮し、

 地域や学校の実態に応じた教育指導の充実を図りながら、人

 間性豊かな生徒の育成を目ざして、学校教育活動が活発に

 展開されるよう努めた。

  特に本年度は、新学習指導要領による教育課程の実施二

 年目であることから、前年度の反省を踏まえて一層趣旨の

 徹底が図られるよう、次の重点目標を設定してその達成に

 努めた。

 1) 生徒の実態等を踏まえ、各学校が主体性をもって、多

  様な教育課程の編成や実施を行い、特色ある学校づくり

  ができるよう指導援助する。

 2) 指導内容の精選と構造化に努め、生徒一人一人を生か

  す指導方法の改善・工夫が図られるよう指導援助する。

 3) 生徒指導の組織・体制を点検するとともに、教職員の

  共通理解を基盤として、中学校や家庭との連携を深めな

  がら、生徒理解に基づく指導が展開されるよう指導援助

  する。

 4) 生徒の学校生活への適応を促進し、中途退学者の減少

  及び生徒非行・生徒事故の防止が図られるよう指導援助

  する。

 5) 教職員の資質と指導力の向上に努める。

 6) 勤労にかかわる体験的な学習及び産業教育、情報処理

  教育、科学技術教育の充実を図るとともに、施設設備の

  整備に努める。

(2) 指導組織

  高等学校教育課長を中心に、次の人員が一体となって、そ

 れぞれの分掌に従い、企画、運営、指導助言に当たった。

    主    幹       1名

    主任指導主事       1名

    指 導 主 事       16名

     (うち、駐在指導主事 6名)

  また、県立高校教諭32名を学校教育指導委員に委嘱し、

 各教科の指導活動の充実強化を図った。

(3) 学校教育指導の重点

  前記の基本方針に基づき、指導の車点を次のように設定

 し、指導の充実を図った。

 1) 教育課程の適正な運営と指導法の改善を図る。

  ア 教育課程研究集会を開催し、学習指導要領の趣旨に

   基づく教育課程の運営と指導法の改善について、研究

   発表並びに研究協議を行った。

  イ 教育課程研究会議を開催し、特色ある学校とは何か、

   特色ある学校づくりをどのように進めるか、について

   研究し、手引書(指導資料第19集)を作成、配布した。

  ウ 文部省指定研究学校(習熟度別指導、勤労体験学習、

   生徒指導、教育課程)、県指定研究学校(学習指導、進

   路指導、定通教育、生徒指導)における研究実践の推

   進を図り、その成果の普及に努めた。

  エ 教務主任研修会を開催し、特色ある学校づくり及び

   教育課程編成上の諸問題について研究協議を行った。

  オ 教育課程編成訪問により、特色ある学校づくりの観

   点から教育課程の編成と指導法の改善について指導助

   言を行った。

  力 特別活動講習会を開催し、勤労体験学習の進め方に

   ついて研究協議を行った。

  キ 各種研修会、学校訪問等を通して、学習指導に関す

   る下記事項の徹底に努めた。

   (ア) 教科科目の目標を明確にとらえ、指導内容を重点

    化して基礎学力の充実を図ること。

   (イ) 教材の特性に即して指導法に工夫を加えるととも

    に、学習指導の個別化に努めること。

   (ウ) 学習効果を高めるための評価の方法について研究

    し、改善を図ること。

 2) 生徒指導の充実を図る。

  ア 校内における指導体制の確立を期し、各種研修会、

  学校訪問等の指導を通して、教職員の共通理解を図り

   同一歩調による生徒指導の充実に努めた。

  イ 生徒指導研究会議を開催し、生徒と教師の人間的ふ

   れ合いをもとにした生徒指導を進めるために、生徒理

   解の具体的な方法について研究を行い、指導資料第18

   集「生徒理解の方法と実践」を刊行、配布した。

  ウ 新入生の保護者を対象に、家庭における指導のため

   のパンフレット「育てようすこやかに」を配布した。

  エ 文部省指定研究学校「学校生活適応指導」、県指定

   「中高連携、社会参加、勤労体験」における研究実践

   の推進を図り、その成果の普及に努めた。

  オ 生徒指導推進地域を指定し、中・高及び関係諸団体が

   一体となって、環境浄化1・生徒の健全育成を中心に、

   地域ぐるみの生徒指導の推進に努めた。

  力 生徒指導担当者研修会を開催し、生徒の多様化に即

   した生徒指導のあり方について研究協議を行った。

  キ 学校における教育相談体制の確立と教育相談活動の

   改善充実を図った。

 3) 進路指導の適正化に努める

  ア  進路指導主事研修会、進路指導講座等を実施し、

    下記事項の徹底に努めた。

   (ア) 低学年からの計画的、組織的な進路意識の育成に

    努めること。

   (イ) ロングホームルームにおける進路指導の充実に努

    めること。

   (ウ) 日常の接触や諸調査・諸検査の実施を通して、生

    徒の能力・適性・進路の希望等を的確に把握するこ

    と。

   (エ) 生徒の自己理解の促進に努めること。

   (オ) 進路に関する情報や資料の収集に努めるととも

    に、その効果的な活用を図ること。

   (力) 組織的・計画的な進路相談の充実に努めること。

  イ 研究学校を指定し、研究実践の推進を図った。

(4) 教職員の資質の向上と学校管理運営の充実

 1) 現職教育の充実、

  ア 校内における研修体制の充実改善を図った。

  イ 研究会、講習会等への積極的参加を促進し、指導力


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。