教育年報1984年(S59)-245/287page

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  イ 教育相談の望ましい流れ、心理療法とその効果

  ウ 指導援助者のこと

(3)第2年次の研究計画

 反社会的行動をもつ児童生徒の事例研究の集録作成

 7 教育課程の実施に関する研究

(1)研究の視点

  これからの学校教育においては、「知・徳・体の調和のと

 れた人間性豊かな児童生徒を育成する」ことをめざした教

 育の推進を図らなければならない。この時期において、各

 小・中・高等学校においては、適切な教育課程の編成・実

 施に努力を傾け、創意ある教育活動を展開しなければなら

 ない。このような視点にたち、教育内容の質的転換を図る

 ため、「教育課程の実施に関する研究」に取り組んできた。

(2)研究の領域

 1) 特別活動の評価に関する研究(小学校)

 2) 内燃機関の性能試験(中学校)

 3) 家庭科用実習プログラムの開発(高等学校)

 4) 「診断と治療」を取り入れた作文指導(小・中学校)

 5) 器械運動における小・中・高等学校の一貫性の構造化

  と指導のあり方(小・中・高等学校)

(3)研究の概要

 1) 特別活動の評価に関する研究

   特別活動の評価は、表面的・形式的になりやすい傾向

  になるといわれているが、本研究では、学級会活動の評

  価に焦点を当て、具体例をあげながら考察を加えた。

 2) 内燃機関の性能試験

   中学校における熱機関教育の立場から、内燃機関の基

  本的な熱力学的性能を求める過程について、計測の方法

  並びに性能計算のすすめ方を研修の手引きとしてまとめ

  た。

 3) 家庭科用実習プログラムの開発

   家庭科の「食物」領域におけるコンピュータの活用の

  ため、教材用のプログラムを開発し、実践を試みた。

 4) 「診断と治療」を取り入れた作文指導

   作文指導の過程で、いつ・どこで・どのように個をと

  らえ、それに応じた指導をどのように行えばよいか、す

  なわち「作文指導における診断と治療」について、その

  具体的な手順・方法のいくつかの事例をあげながら考察

  を加えた。

 5) 器械運動における小・中・高等学校の一貫性の構造化

  と指導のあり方

   現行の学習指導要領で特徴的なことは、生涯スポーツ

  を見通し、目標を小・中・高等学校の一貫性のうえにた

  って、各学校段階で果たすべき役割を総括的に示し、体

  育・保健体育の学習指導の方向づけをしたことである。

   この目標に応じた学習指導を展開するために、本研究

  では、器械運動の領域について、小・中・高等学校の学

  習指導要領並びに指導書及び解説書に基づき、技能内容

  の小・中・高等学校の一貫性の構造を明らかにするとと

  もに、その学習指導と評価についてまとめた。

  第4節 教育相談に関する事業

  1 来所相談

(1)幼児及び小学校低学年の児童がもつ問題行動の治療援助

 には、遊戯、運動療法を原則として用い、親との並行面接

 をしながら、場合によっては行動療法などを実施した。

(2)小学校高学年児童及び中学校、高等学校生徒に対しては

 主としてカウンセリングを中心にして、自律訓練法、行動

 療法、箱庭療法や読書療法などを実施した。

(3)父母に対しては、親子関係の改善、養育態度のあり方な

 どについて、カウンセリングを中心に指導援助をした。さ

 らにロール・プレイングや家族療法などを実施した。

(4)来談した幼児、児童・生徒の指導援助の効果を高めるた

 め、当該保育所、幼稚園、学校側との連携、協力関係を保

 つほか、福島医大神経精神科、児童相談所、精神衛生セン

 ターなど関係諸機関との連携を図りながら子供に対する指

 導援助の徹底に努めた。

  2 電話相談・その他の要請

 来所相談以外に電話による相談を実施した。来談した子供

に関する当面の相談事項や、電話だけによる相談に応じた。

また、学校からの教育相談や生徒指導などの諸問題について

は、要請に応じて当該所員の派遣をした。

 3 移動教育相談

 遠隔地や家庭の事情などのため、来所することが困難な地

域には、教育相談部所員が出張し移動教育相談を実施した。

本年は、白河市、会津若松市、いわき市、原町市の4会場で

延べ12日間実施した。

 4 教育相談の実施状況

(1)対象別相談者延べ人数
年度/対象別 幼 児 小学生 中学生 高校生 一般 教員 電話
昭和
59年度
158 335 580 336 233 127 1,769 1,380

(2)主訴別相談者延べ人数
年度/主訴別 面接相談 計 
知能学業 性格行動 身体神経 進路適正 教育一般
昭 和
59年度
83 1.521 107 7 51 1.769

(3)地区別相談者延べ人数
地区別 県 北 県 中 県 南 会 津 南会津 いわき 相 双
相談者数 1,132 359 82 43 2 53 98 1,769



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