教育年報1984年(S59)-249/287page

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  3 館 内 閲 覧

 一般資料、郷土資料、参考図書、新聞、雑誌等(約10万

冊)が自由に閲覧でき、利用者から好評を得ている。

 オープン当初は、学習の場(閲覧室)を求めての来館者(受

験生など)が多く目立ち、閲覧席を独占するというハプニン

グもあった。

 これは、第二線に徹したとはいえ、旧館のイメージが残っ

ていたためで、理解を求めるまでには、かなりの時間を必要

とした。

  4 館外個人貸出

 資料の充実と相侯って、貸出も大きな伸びを示した。これ

は単に読書だけでなく、調査・研究のために借り出すケース

が多くなったことによる。

 オープン時には、軽読書のための資料を求めて来館した利

用者がかなりあったが、調査館としての機能が次第に認識さ

れて、質の高い利用へと移行していった。

 本年度の貸出状況は〔表6、7、8〕のとおりである。

  5 郷土資料

 郷土資料コーナーが新設されたことにより、落着いた雰囲

気のなかで調査研究が出来るとともに、資料提供もよりスム

ーズに行えるようになった6民俗芸能、文化財等の映像音声

資料の視聴覚資料室での利用も件数は少ないが今後が期待さ

れる。

 また、新設の対面朗読室の利用は、件数は少ないながら視覚

障害者の方に喜ばれた。

  6 逐次刊行物

 情報化社会の進展は情報の供給の多様化と同時に、需要者

側の多様化と速報化の要求をも一層強めた。

  〔表2、3〕は記録されたもののみを示し、いわゆるクィ

ック・レファレンスの数は件数に入れていないが、それを加

算するなら十数倍にはなるであろう。特に新聞による調査・

研究の利用は顕者な増大傾向を示し、記事索引等の補助ツー

ルの整備を急いでいるところである。

 特許関係の利用状況は昨年とさほど変化はないが、資料の

同時、大量閲覧を希望する利用者が多いため、本年度からは

書庫内読書席での閲覧を許可しているので件数には含めてい

ない。

  7 複写サービス

 〔表9〕に示すとおり件数において昨年度比2倍弱に増大

した。特に郷土紙の明治、大正、昭和初・中期の複写要求が

多い。しかし、これらの資料については最重要資料であると

同時に破損・汚損が甚しいので、文化遺産の保存という観点

からも目下マイクロフィルム化を進め、複写サービスに供し

ているところである。

 8 児童奉仕

(1)児 童 室

  幼児期からの読書と図書館利用の習慣づけを目的とし、

 児童、生徒などに対し、児童図書の閲覧貸出しを行った。

  新館では、独立した児童室で、室内には明るい、ゆった

 りした雰囲気の読み聞かせコーナーが設けられているのが

 特徴である。

  新館オープンの時期が夏休みであったため、開館当初は、

 旧館の数倍の利用者で盛況をきわめた。しかし徐々に落着

 きをみせ、年間利用者では前年度の約3倍となっている。

(2)児童図書研究室

  県内市町村立図書館、公民館図書室、読書施設、

 子どもの本研究者、指導者等を対象とし、児童図書室の運営、

 児童奉仕の実務研究、子どもの読書に関する調査相談等に資

 するため、新たに児童図書研究室が設けられたものである。

  収集する資料は、児童文学、児童図書に関する研究図書、

 研究素材としての児童図書等とし、その整備につとめた。

  また、利用者も漸次伸びてきている。

  9 展    示

 エントランス・ホールにある展示コーナーで、開館以来次

のような展示を行った。

(1)福島と二つの祖国 〜朝河貫一博士展〜 

 (昭和59年7月22日〜8月21日)

  博士草案ルーズベルト大統領宛親書、鳩山一郎宛書簡、

  肖像画等20点余を展示

(2)阿武隈川いまむかし 〜阿武隈川関係資料展〜 

 (昭和59年8月28日〜10月22日)

  阿武隈川水路図、信夫橋真景之図、近世阿武隈川におけ

  る舟運の発達等阿武隈川に関する資料30点余を展示

(3) 「厚物咲」から「芭蕉庵桃青」まで 〜孤高の作家中山義秀展〜

   (昭和59年10月27日〜11月25日)

  本県の生んだ芥川賞作家のひとり中山義秀の、主な作品

  の単行本、掲載誌、葉書、書簡、色紙等を展示

(4)復刻・近代文学雑誌展  (昭和59年12月4日〜昭和60年

 2月17日)

  「早稲田文学」「志がらみ草紙」「文学界」「スバル」

  「明星」等近代文学の画期を成す雑誌の復刻版を展示

(5)本にみる浮世絵展  (昭和60年2月19日〜3月31日)

  「全集浮世絵絵画」「浮世絵聚花」「肉筆浮世絵」等の画

  集や東海道五十三次、富嶽三十六景の複製画を展示

〔表2〕記録された参考質問の分析    (単位:件)
区分 郷土  一般 逐次刊
行 物
児童 計 
人文 社会 自然
口頭 380 114 311 102 177 100 1,184
電話 234 76 308 51 47 80 791
文書 126 11 8 3 1 1 150
740  201 622 156 225 181 2,125
979 



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