教育年報1985年(S60)-239/279page
福島県立図書館
第1節概 要
1 運営方針
「図書館の図書館」としての機能の充実を図り、県内公
共図書館等が対応困難な事項等に積極的に援助を行うととも
に、県民の情報センターとしてより多くの資料の収集整備に
つとめ、開かれた図書館として、県民の多様な学習活動に対
し広く資料や情報の提供を行い、調査研究のための援助につ
とめた。
(1) 図書館資料の収集・整備
各部門の基本図書、参考図書について、計画的に収集整
理を行い充実を図った。特に、郷土関係資料については
積極的に収集を行い、郷土資料を中心とした調査研究のた
めの利用の促進を図った。
(2) 調査相談機能の充実
1) 調査相談業務の強化
より多くの図書資料を公開し、来館者に対する調査研
究を援助するとともに、県内外から寄せられる各種調査
相談に迅速的確に応えるため、二次資料の整備につとめ
た。
2) 相互貸借
広く県民に図書館資料利用の機会を拡大するため、県
内外図書館との連携を図り、相互貸借をはじめとして、
必要資料の積極的な提供につとめた。
(3) 障害者に対する奉仕
対面朗読室の使用を中心とし、録音テープ、大型活字本
等を提供し利用の便宜を図った。
(4) 相互協力の推進
1) 職員研修の充実
県内の図書館関係職員について・専門職員としての資
質の向上を図るため、継続して系統的な研修につとめ
た。
2) 読書活動指導者の養成
県内各地に読書活動のめばえと読書環境の形成を目指
し、地域における読書活動指導者の養成につとめた。
(5) 図書館未設置地域に対する奉仕
移動図書館「あづま号」を定期的に運行し読書普及活動
につとめたほか、団体貸出、親子読書文庫の巡回指導を行
い、全県的な読書運動の活性化を図った。
2 図書館協議会
(1) 委 員
60年度の委員は次の方々である。
任期は昭和60年7月18日から昭和62年7月17日まで
古川洋郎 福島県議会議員
小林忠道 福島商工会議所専務理事
山本ナカ 福島県婦人団体連合会長
田中寛之 NHK福島放送局長
佐藤金正 福島県青少年団体連絡協議会長
宗田哲夫 福島県公民館連絡協議会副会長
箭内洪一郎 福島県中学校長会長
大槻進 福島県高等学校長協会長
鈴木完一 福島県社会教育委員
堀口知明 東北福祉大学教授
(2) 協議会の開催
第1回 昭和60年8月2日
・図書館協議会について
・図書館の組織機構について
・昭和60年度当初予算概要と事業計画について
・第36回北日本図書館大会・第33回福島県図書館大会の
報告について
第2回 昭和60年10月30日〜11月1日
・昭和60年度第71回全国図書館大会(仙台市)への参加
第3〜4回 昭和61年3月24日〜25日
・昭和60年度県立図書館の利用状況について
・昭和60年度県立図書館の事業実施状況について
・昭和61年度県立図書館の当初予算概要について
・昭和61年度県立図書館の事業計画について
第2節 資料の収集・整理
県内の公共図書館・公民館を対象に、昭和60年6月「県立
図書館の資料整備充実に対する要望」調査を実施して、調査
結果報告書をまとめた。そのなかで、資料整備に関するアン
ケートで、今後充実を望む資料として、図書資料では、図書
館・公民館とも専門書の充実を望む声が強いが、以下の順位
となると、公民館では実用書28%、教養書25%、娯楽書12%
等とまだまだ読書普及用図書への要望が強いことをうかがわ
せた。
近年、海外との交流が各方面において進んでいるが、その
一助として、在日各大使館に、各国の国情紹介の資料寄贈を
依頼し、収集につとめたが、60数か国から寄贈があった。
1 図書館資料の収集
(1) 一般資料の収集
本年度の資料の収集には、これまで、全集、双書類が多か
ったので、基本図書の充実につとめた。また参考図書につ
いては、資料収集調整委員会において、年鑑類全体につい
て、再検討を行った。
収集した基本図書の一部には、「下北半島の民間信仰」
「国家仏教変容過程の研究」「日本古代氏族の研究」
「中世民衆生活史の研究」「日本古代地理研究」「現代家族法研究」
「現代日本地方財政史」「高齢者の労働能力」「地域の変貌と学校教育」
「高校の選択制教育調程」「高等学校・農業教育の変遷と展望」
「日本全国沿岸海洋誌」「日本医療政策史」
「産業配置と地域構造」「大都市の再生」「これからの石炭化学工業」
「染色の文化」「地域産業構造の分析」「戦後開拓の展