教育年報1986年(S61)-110/213page
昭和60年度 城館跡等の所在確認調査
昭和61年度 重要度の高いもの100か所程度を選び、
2次調査と略測図を作成
昭和62年度 報告書の刊行
専門調査員 県文化財保護審議会委員
安田初雄
同 小林清二
東北学院大学教授 大石直正
県考古学会副会長 馬目順
4) 文化財指定調査
歴史的、学術的な価値を有する文化財は数多く存在する
が、その中から重要なものを選び、指定のための調査を実
施し、県文化財保護審議会の答申に基づき、昭和62年3月
27日付をもって指定した。
指定した文化財は、次のとおりである。
種 別 名 称 員数 所 在 地 所有者 重要文化財
(建造物)旧阿部家住宅 1棟 福島市上名倉字大石前
福島市民家園福島市 〃 (工芸品) 大名家婚礼調度等 72点 相馬郡小高町小高字上広畑246番地 同慶寺 〃 ( 〃 ) 常 滑大壷 1口 いわき市平字八幡小路84番地 飯野八幡宮 〃 (歴史資料) 白河・石川・岩瀬 田村・
安積・安達六郡絵図1張 須賀川市池上町6番地
須賀川市立博物館須賀川市 〃 (考古資料) 丈龍私印 1穎 岩瀬郡天栄村大字下松本字原畑78番地 天栄村 〃 ( 〃 ) 八幡横穴群出土品 1括 いわき市平字堂根町1番地4号
いわき市文化センターいわき市 重要有形
民俗文化財旧修験岩崎家所蔵修験資料 410点 相馬市小泉字根岸424番地 岩崎敏夫 〃 旧修験川島家所蔵修験資料 65点 南会津郡田島町川島字川島平1918番地 川島弘 〃 旧修験高橋家所蔵修験資料 241点 耶麻郡西会津町奥川大字大綱木字反口1634番地 高橋福江 重要無形
民俗文化財
(風俗慣習)大滝神社の浜下り行事 双葉郡楢葉町上小塙字宮平1番地 大滝神社浜下り
神事保存会〃 (芸能) 下柴の彼岸獅子 喜多方市関柴町下柴 下柴獅子団 〃 (芸能) 二本松の祭り囃子 二本松市本町二丁目 二本松提燈祭
祭礼囃子保存会史 跡 本屋敷古墳群 双葉郡浪江町大字1番1号
北幾世橋字伊織迫1番5号明治卓也
明治一夫〃 窪田遺跡 南会津郡只見町大字大倉 只見町 史跡及び名勝 旧梁川亀岡八幡宮並びに
別当寺境域伊達郡梁川町大字八幡字堂庭 八幡神社龍宝寺
ほか〃 専称寺境域 いわき市平山崎字梅福山 専称寺ほか 重要文化財
(附指定)旧渡部家住宅墨書板 1枚 双葉郡浪江町大字北幾世橋字北原6番地 大聖寺 3 埋蔵文化財の保存の充実
(1)埋蔵文化財調査体制
県土の開発進展に伴い、開発側との事前協議が増加して
おり、同時に遺跡の保護保存に対する県民の関心も高まつ
ている。発掘調査体制も年々強化されており、
(財)福島県文化センター遺跡調査課においては逐次定員増
を図ってきた。本年度新たに4名増となり、現在採用職員25名
(内嘱託8名)、県教委出向職員19名、計44名である。
〔(財)福島県文化センター遺跡調査課職員数〕
年度 54 55 56 57 58 59 60 61 人員 15名 20名 23名 26名 26名 30名 40名 44名 (2)開発事業地内遺跡の保護対策
大規模開発事業地内の遺跡の保護は、(イ)遺跡の所在範囲、
性格などを明らかにする(分布調査)。(ロ)工事等で遺跡が破
壊されないように起業者と保護対策を協議する(事前協議)。
(ハ)工事実施上止むを得ず遺跡の現状が失われる場合には、
事前に発掘調査を行い記録として保存し、報告書を刊行す
る(発掘調査)という三段階がとられる。
ア 分布調査
開発地内の詳細分布調査を行い、遺跡の保存対策の資
料とするもので、表面調査と試掘調査に分けられる。
試掘調査は、国営母畑事業区内27遺跡、国営矢吹事業
区内6遺跡、福島空港予定地内8遺跡、相馬開発事業区
内8遺跡の計49遺跡について実施した。
イ 開発関係機関との保存協議
前年度からの継続協議を含め、次の諸機関と埋蔵文化
財の取り扱いについて協議を行った。