教育年報1987年(S62)-037/225page
(1) 生涯教育推進本部の機能の充実に努める。
(2) 民間の教育・文化事業との連携・協力を促進する。
(3) 時代の変化と県民の学習要求に対応する学習機会の体
系化を検討する。
(4) 生涯学習振興会(仮称)の設立を検討する。
提言2
市町村の生涯学習進めるまちづくりの促進を
図ること
地域における学習・文化・スポーツ活動等を振興するため
には、住民の日常生活と密接なかかわりをもっている市町村
が中心的な役割を担わなくてはならない。
そこで、生涯学習を進めるまちづくりの促進にあたっては、
地域に活力を与え多様な学習活動を支える人材の育成、住民
の結びつきを深める連帯感の醸成、地域の生活を支えてきた
文化の発掘と伝承・創造等に視点を置いた推進体制や学習の
機会を整備することが望ましく、県では、そのための助言と
援助をする必要がある。
(1) 生涯学習を進めるまちづくりの推進体制の確立を促進
する。
(2) 公民館等における推進体制の整備を促進する。
(3) 生涯学習推進のため組織の活用を促進する。
(4) 生涯学習を推進するため学習条件の整備を促進する。
提言3
生涯学習を推進する指導者の資質の向上を図ること
地域住民の生涯学習を効果的に推進するためには、住民の
学習要求や興味・関心等を把握し、学習活動を奨励・援助す
る中心的な役割を果たす指導者の資質の向上と確保を図る必
要がある。
そのため、指導者の養成と研修を体系的・計画的に実施し
資質の向上を図るとともに、行政と民間の指導者め交流と活
用を促進する必要がある。
(1) 学習指導者の養成と研修を促進する。
(2) 行政と民間の学習指導者の相互派遣を促進する。
(3) 学習指導者バンクのネットワーク化を促進する。
(4) 地域の生涯学習推進員を養成し活用を促進する。
提言4
学習施設の整備と施設間連携の促進を図ること
県民が学習活動を行っていくうえで、その拠点となる施設
の存在が極めて重要であることから、様々な施設を地域性を
考慮しながら体系的・総合的に整備するとともに、施設間の
ネットワーク化を促進する必要がある。
その際、県の教育・研究・文化・スポーツ等の施設を有機
的に活用していくため、情報通信機能や快適な学習空間を確
保するなど、生涯学習活動の場として多目的に利用できる施
設を整備する必要がある。
(1) 既存の公的施設の効果的な活用を促進する。
(2) 民間施設との相互利用を促進する。
(3) 学習施設のインテリジェント化を促進する。
(4) 学習施設間のネットワーク化を促進する。
(5) 施設ボランティアを養成し活用を促進する。
提言5
学習情報の提供と学習相談体制の整備充実を図
ること
生涯学習は、人々が自らあらゆる学習の機会や場を活用し
て、学習活動を主体的・選択的に行うものであり、それらの
学習活動を充実させるため、県内に多様に散在する学習情報
を収集・整理し、適切に提供する学習情報提供の機能が重視
される。
そのため、県民の学習意欲を助長する啓発的な広報の他に、
県民の要求に随時こたえられ、県民自らがいっでも検索し活
用することができるよう「生涯教育データバンク」を拡充・
整備していくとともに、行政と民間相互の情報ネットワーク
化を進めることを検討する必要がある。
(1) 新しい時代に対応した情報提供システムを確立する。
(2) 民間を含めた学習情報の相互提供を促進する。
(3) 学習相談体制の整備と機能の充実を促進する。
提言6
時代の変化に対応する学習機会の充実と個人学習の援助を図ること
近年、社会の流動的様相が増し、高度の情報化や科学技術
の進展及びあらゆる分野での国際化に伴い、経済や社会環境
は著しく変化し、それに対応して個人の労働環境や生活環境
も変化している。
これらの環境の変化を自ら意識し、心豊かな生き生きとし
た生活を求める学習の需要も増えつつあることから、とくに
新しい時代の変化に対応する学習機会の充実に努め、かっ、
個人の学習活動への援助のあり方を検討する必要がある。
(1) ライフステージの課題に応じた学習機会を充実する。
(2) 新しいメディアを活用する学習機会を充実する。
(3) 国際理解を深める学習機会を充実する。
(4) 高齢社会に対応する学習機会を充実する。
(5) 障害者の社会参加の促進とボランティアの学習機会を
充実する。
(6) 個人の学習活動の援助を促進する。
(7) 自己を高め社会還元をめざす生涯学習を推進する。