教育年報1987年(S62)-184/225page
図書館
第1節 概 要
1 運 営 方 針
地域に育つ「図書館の図書館」としての機能充実を図り、
県内公共図書館等が対応困難な事項等に積極的に援助を行う
とともに、県民の多様化しているニーズに応えるべく、より
多くの資料の収集整備につとめ、情報化時代における図書館
として、県民の学習活動に対し、広く資料や情報の提供を行
い、調査研究のための援助に努めた。
(1) 図書館資料の収集・整備
各部門の基本図書、参考図書について、計画的に収集整
理を行い整備充実を図った。
特に、郷土関係資料については、積極的に収集を行い、
郷土資料を中心とした調査研究のための利用促進を図った。
(2) 調査相談機能の充実
1) 調査相談業務の強化
公開図書室により多くの資料を公開し、来館者の調査
研究を援助するとともに、県内外から数多く寄せられる
各種調査相談に対し、迅速・的確に対応した。
2) 相互貸借
広く県民に資料利用の機会を拡大するため、県内・外
図書館との連携を図り、必要資料の積極的な提供に努め
た。
(3) 児童図書部門の機能強化
利用者の多い児童室の図書の貸出し、返却、予約ならび
に検索等のコンピュ一タ処理により、各分野に亘って迅速
化し、業務の円滑化を図った。
(4) 相互協力の推進
1) 職員研修の充実
県内の図書館関係職員について、資質の向上を図るた
め、継続して実施した。
2) 読書活動指導者の養成
県内各地に広がりをみている読書活動の輪を育て、地
域における読書活動指導者の養成に努めた。
3) 協力事業の推進
県立と他の県内公共図書館とのサービス業務等の連絡
調整ならびにサービスの拡大を図り、図書館のネットワ
ークの確立と機能強化を図った。
(5) 図書館未設置地域に対する奉仕
移動図書館「あづま号」を定期的に運行し、読書普及活
動に努めたほか、団体貸出、親子読書文庫の巡回指導を行
い、全県的な読書運動の活性化を図った。
2 図書館協議会
協議会は次のとおり開催した。
第1回 昭和62年8月28日
・図書館協議会について
・図書館の組織、機構について
・昭和62年度当初予算概要と事業計画について
第2回昭和63年3月17日
・昭和62年度県立図書館の利用状況について
・昭和62年度事業実施状況について
・昭和63年度当初予算概要と事業計画について
第2節 資料の収集・整理
図書館資料は県民の資料要求の多様化・高度化に的確に対
応することが求められるが、同時並行的に、県民の資料セン
ターとして主体性をもった、体系的で計画的な蔵書構成にも
配慮している。言い換えれば、利用的価値と資料的価値との
調和による資料収集である。
そのため本年度は、従来の「資料収集方針」に加え、62年
度における重点収集方針を定め、蔵書診断に基づく綿密な計
画性をもった収集に努めた。
資料整理面では、新着図書の迅速な整理を行なうとともに
未整理資料の大巾な解消に努めた。
1 図書館資料の収集
(1) 一般資料の収集
「橿鳥県立図書館資料収集方針」を昭和62年度に適用、
具体化した「昭和62年度・資料収集方針」を定め、計画的
収集を行った。その骨子は、イ)未整備資料部門の充実、
ロ)全集・叢書類の欠本解消 ハ)年鑑・白書・統計書等
々の年刊情報資料の整備、ニ)権威ある各種受賞図書の収
集、ホ)全国都道府県史(誌)の網羅的収集 へ)自然科
学関係の基本図書の充実等々である。
その結果、出版・流通事情や予算の制約なとにより一部
収集できない資料も残ったが、ほぼ目標を達成できた。
また、受贈図書の整理・再点検を行うなかで蔵書の充実
に努めた。
(2) 郷土資料の収集
県および市町村発行の行政資料については、引き続き重
点的に収集に努め、「絵をみてつくれる橿鳥の味」「尾
瀬への招待」「会津の子供たち」「摺上川源流を訪ねて」
等の親しみやすい資料の収集にも留意した。
(3) 視聴覚資料の収集
県広報広聴課より県政広報テレビ番組ビデオ(昭和59年
度分)の移管を受けた。内容は、「茶の間の県政」52点、
「こんにちはふくしま」52点等となっている。ビデオ以外
では、「本好きな子に育てるために!」(16ミリフィルム)
や「信夫・伊達民謡集」 (カセットテープ)等がある。
(4) 児童図書研究図書の収集
児童部門における図書及び図書館奉仕のための調査研究、
並びに読書相談に応じるためなどの資料を網羅的に収集し
た。具体的には、文学教育、読書指導、作家論、作品評論、