教育年報1991年(H3)-125/234page

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 3 埋蔵文化財の保存の充実

(1) 埋蔵文化財調査体制

  県土の開発進展に伴い、開発側との事前協議が増加して

 おり、同時に遺跡の保護保存に対する県民の関心も高まっ

 てきている。これにより発掘調査体制も年々強化され、

(財)福島県文化センター遺跡調査課に遂次定員の増加を図って

 きた。現在採用職員35名(内嘱託10名)、県教育委員会出向職員

25名、計60名である。

  (財)福島県文化センター遺跡調査課職員数
年度 昭52 53 54 55 56 57 58 59
人員 5 9 15 20 23 26 26 30
年度 60 61 62 63 平元 2 3
人員 40 44 47 47 55 60 60


(2) 開発事業地内遺跡の保護対策

  大規模開発事業地内の遺跡の保護は、1)遺跡の所在範囲

性格などを明らかにする「分布調査」。2)工事等で遺跡が

 破壊されないように事業者と保護対策を協議する「事前協

 議」。3)工事実施上止むを得ず遺跡の現状が失われる場合

 には、事前に発掘調査を行ない記録として保存し、調査報

告書を刊行する「発掘調査」という三段階がとられる。

 ア 分布調査

   開発地内の詳細な分布調査を行ない、遺跡の保存対策

  の資料とするもので、表面調査と試掘調査に分けられる。

   試掘調査は、国営母畑事業区内1遺跡、三春ダム地内

  1遺跡、原町火力発電所関連12遺跡、東北横断自動車道

  18遺跡、国道6号バイパス2遺跡について実施した。

 イ 開発関係機関との保存協議

  前年度からの継続協議を含め、次の事業について関係

 機関と保存協議を行った。

  国営母畑事業地区、同矢吹地区、国営会津農業水利事

 業南部地区、同宮川地区、東北横断自動車道、三春ダム、

 原町火力発電所、相馬開発地区及び県内各地の県営・団

 体営ほ場整備などの関係機関、国道・県道の工事事務所。

ウ 開発に伴う発掘調査

  県教育委員会では、開発事業に伴う発掘調査を

 (財)福島県文化センターに委託して、下記の遺跡について発掘調

 査を実施した。

  母畑地区 弥明遺跡(10,920m2)、矢吹地区 

 山崎遺跡他4遺跡(12,000m2)、会津農水宮川地区 

 北平遺跡他2遺跡(4,200m2)、同会津南部地区 神指城跡

 (4,170m2)、三春ダム地内 蛇石前遺跡他2遺跡(12,000m2)

 東北横断自動車道地内 木村館跡他10遺跡(43,500m2)

 原町火力発電所地内 長瀞遺跡他10遺跡(38,950m2)、

 相馬開発地内 山田B遺跡他2遺跡(15,525m2)、

 合計141,265m2

  また、単一市町村内に係わる開発関連の調査は、当該

 市町村教育委員会が主体者となって実施しているが、遺

 跡の重要性や調査体制を考慮し、必要に応じて県教育委

  員会の専門職員を派遣し、指導している。

   主なものは、次のとおりである。

   月崎遺跡、月崎A遺跡、宇輪台遺跡、敷ケ森遺跡、

  沖町遺跡、学壇遺跡(以上福島市)、坊ノ内遺跡、

  下万正寺遺跡(以上桑折町)、山崎古館跡(国見町)、

  桐木遺跡、五斗蒔B遺跡(以上保原町)、堂庭遺跡(梁川町)

  河股城跡、台山館遺跡(以上川俣町)、二本松城跡、

  杉田館跡(以上二本松市)、上ノ台遺跡(大玉村)、

  高木遺跡、高木田中遺跡(以上本宮町)、清水台遺跡、

  石作A遺跡、大供四十壇A遺跡、鴨打A遺跡、夢田遺跡、

  柿平A遺跡、桐木沢遺跡(以上郡山市)、古館跡、

  洞山遺跡、明神前遺跡(以上長沼町)、竹の内遺跡、

  祝言坂遺跡(以上岩瀬村)、境遺跡、前山遺跡(以上鏡石町)、

  うまや遺跡、西ノ窪館跡、松原遺跡、川屋向遺跡(以上

  須賀川市)、水の出横穴墓群(古殿町)、深作A・B遺跡、

  背上A・B遺跡、長作遺跡(以上三春町)、

  南移町尻遺跡、沖ノ縄C・D遺跡、折ノ内A・B・C遺跡(以

  上船引町)、新田遺跡(小野町)、小峯城跡(白河市)、

  横川C遺践、蒲日向A遺跡、高助館跡(以上西郷村)、

  道目木遺跡、町屋A遺跡(以上大信村)、羽黒山城跡

  (塙町)、門田条里制跡、屋敷遺跡、城東町遺跡、

  堂ケ作山古墳、上居合遺跡、大戸古窯跡(以上会津若松市)、

  古屋敷遺跡(猪苗代町)、西原遺跡(山都町)、

  真福寺跡(西会津町)、惣座遺跡、清水平A遺跡(以上磐梯町)、

  稲荷塚遺跡、吉原遺跡、三本木遺跡、牛沢館跡、

  臼ケ森古墳、館ノ北遺跡、宮ノ北遺跡(以上会津坂下町)、

  大内宿遺跡、九々布城跡(以上下郷町)、中村城跡、

  槍町遺跡、初野町遺跡(以上相馬市)、木崎横穴、

  谷地小屋原遺跡(以上新地町)、中館古城遺跡(鹿島町)、

  天狗田遺跡、畦原遺跡、石神A遺跡(以上原町市)、

  北沖A群横穴墓(双葉町)、小浜代遺跡(富岡町)、

  東町古墳(広野町)、小茶円遺跡、番匠地遺跡、差塩遺跡、

  高戸A遺跡、道添B遺跡、南山B遺跡、須賀蛭A遺跡、

  大畑A遺跡、差塩D遺跡、殿田館跡(以上いわき市)

(3)史跡指定調査

 1) 目  的

   歴史上重要な遺跡の史跡指定を積極的に進めるために

  発掘調査を行い、基本資料を整備する。

 2) 調査対象

   関和久上町遺跡(西白河郡泉崎村大字関和久所在)

 3) 調査指導委員

   梅宮茂(福島県文化財保護審議会委員)

   岡田茂弘(国立歴史民俗博物館教授)

   鈴木啓(福島県立二本松工業高等学校長)

   進藤秋輝(宮城県多賀城跡調査研究所主任研究員)

 4) 第二次5か年計画の5年次目(通算第10次)の調査と

  して、高福寺跡東地点、上町南地点、福蔵地区の3地点

  の発掘調査を実施した。その結果、外郭の北東コーナー

  が高福寺跡東地点で検出され、状況から築地塀が存在し

  ていた可能性が高くなった。これにより関和久上町遺跡

  の規模は外郭が南北約218m、東西約182m、内郭は

  南北約118m、東西90mの長方形の区画をもつことが明らか


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