教育年報1991年(H3)-175/234page

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○ 4つの視点は、相互に関連し合っている。

○ アイディア集を活用する際、「個を生かす経営」を心が

 けることが肝要である。

 次年度は、次の内容について研究を進める。

○ 個を生かす4つの視点間のかかわりについて実践をもと

 に明らかにする。

○ 個を生かすための「特性・よさ」を見いだす方法を研究

  ・開発する。

○ 「個を生かす学年・学級経営一日編」を作成する。


 2 基礎・基本の定着と個性の伸長に関す

   る研究

                学習指導部(第5年次)

 本研究は、学習指導の改善の視点から、個性重視の原則に

立ち、基礎的'基本的な内容を身に付けさせる過程を通して、

児童生徒一人一人の個性を生かし、伸ばす学習指導の在り方

を、実践的に追究しようとするものであった。

 第1年次の昭和62年度には、主題に関する文献研究及び理

論研究を進め、以後各年次ごとに教科等を変えて実践してき

た。平成3年度は研究の最終年次に当たるため、教科におけ

る実践研究とともに5年間のまとめを行った。

 小学校体育科の実践研究では、研究協力校との連携を図り、

技能教科の特性に配慮しながら、児童一人一人の「よさ」の

意識化につながる有効な手だてを追究した。また、 「よさ」

を生かす段階では、児童に学習コースを選択させるなどの新

たな工夫を試みた。

 その結果、児童は目分の能力に応じた課題を設定すること

ができ、お互いの「よさ」を認め、励まし合える学習活動が

展開できた。このことによって、課題解決への意欲が高まり、

基礎的・基本的な内容の定着を図ることができた。また、児

童が主体的に学習に取り組むようになり、自分の「よさ」を

伸ばそうとする意識がみられるようになった。

 5年間にわたる研究実践の結果を顧みると、個性を伸ばす

ためには、基礎・基本の定着がいかに重要であるかを検証す

ることができた。また、基礎的・基本的な内容の定着を図る

過程で、事前に把握した児童生徒一人一人の「よさ」や「そ

の子らしさ」を生かす場の設定が不可欠であることが実証さ

れた。

 次年度は、児童生徒一人一人の「よさ」や「その子らしさ」

を生かす評価の在り方に焦点を当て、研究を発展させる。


 3 授業におけるコンピュータの効果的な

  活用に関する研究

              科学技術教育部(第2年次)

 本研究は、児童生徒の主体的な学習活動を高めるため、コ

ンピュータを授業の中でどのように活用したら、より効果的

かを追究したものである。

 研究の第2年次は、コンピュータの機能を生かした教材ソ

フトウェアを作成し、研究協力校(小・中・高校の3校)に

おいて検証授業を実施して、児童生徒の主体的な学習活動の

高まりを調べた。主体的な学習活動を支える要素として「学

習意欲」「情報活用能力」「達成感・成就感」の3つの要素

を規定した。研究対象の学級で認知面と情意面の二面からな

るレディネステストを行い、これをもとに4つの学習タイプ

に分け、検証授業を通して、3要素の変容を測定した。

 小・中・高校の全体を通して、コンピュータは、児童生徒

の主体的な活動を促すことに効果があると認められたが、学

習のタイプによってその効果に差があるということも分かっ

た。今後とも、主体的活動を促すコンピュータの活用を推進

するためには、児童生徒の実態に即応した教材ソフトウェア

の開発を進めていく必要がある。


 4 開発的な指導援助の在り方に関する研

  究教育相談部(第2年次)

 本研究は、児童生徒の将来の向上のために、児童生徒の持

っている可能性を自覚させ、その能力を発揮できるように指

導援助するための「開発的な指導援助の在り方」を3年計画

で追究するものである。

 本年度は、第1年次の研究で明らかにした開発的な指導援

助の6つの要点と基本的対応に基づき、実践を通して具体的

な内容と方法の在り方について、次の4つに視点をあてて研

究を進めた。

(1) 開発的な指導援助の6つの要点についての児童生徒の意

 識調査を実施した。

(2) 開発的な指導援助の実践内容や方法を検討し、実践計画

 を作成した。

(3) 実施計画を研究協力校の実態に応じた内容や方法に具体

 化して実践し、その効果を調査した。

(4) 研究協力校での実践を実践事例としてまとめ、本年度の

 成果と次年度の課題をとらえた。



第4節 教 育 相 談

 1 対  象  別

 来所相談件数'延べ人数、電話相談延べ回数
種別\対象 一 般 保 護 者 教 員
来所相談 件数 6 47 78 47 15 0 0 193件
延べ 人数 82 88 180 45 18 609 109 1,131人
電話相談 延べ 回数 0 8 214 82 21 759 340 1,424回

※ 電話相談の回数は、対象となる児童生徒について主と

 して保護者・教員と相談したものである。


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