第10章 保健体育
第1節 概 要
保健体育課においては、体育、保健・安全、給食の各分野
の相互連携を図りながら、平成5年度福島県教育委員会重点
施策である「21世紀を担う心豊かでたくましい児童生徒の育
成」と「県民の活力をはぐくむ体育・スポーツの振興」を柱
とした各種施策の推進に努めた。その成果は次のとおりであ
る。
また、平成7年に本県で開催される第50回国民体育大会の
総合優勝に向けた競技力向上対策については、競技力向上対
策本部を中心に、指導者の養成確保、選手の育成強化、特殊
競技用具の整備など、各般の施策を積極的に推進した。
1 学校体育の充実
学校における体育・スポーツ活動の充実を図るため、体育
担当者及び運動部活動担当者を対象に各種体育実技指導者講
習会をはじめ、豊富な経験をもつ民間の優れた指導者を学校
に派遣する指導協力者派遣事業等を通して指導者の資質の向
上と児童生徒の体力及び技能の向上に努めた。
また、文部省指定の「体力つくり推進校」、「武道指導推
進校」、「運動部活動研究推進校」の各種研究校における実
践研究や公開発表を契機として、体力の向上のための手だて
や生涯スポーツを目指した学習指導の在り方など今日的な課
題の解決法について広く普及に努めた。
さらに、本県児童生徒の体力・運動能力の実態を把握する
ためスポーツテストを実施し、その結果を分析し活用を図る
とともに、体力つくりに積極的に取り組んでいる学校を紹介
するなど各学校の実態に応じた体力つくりの推進に努めた。
さらにまた、小学校運動競技奨励事業や運動部活動指導者
派遣事業を実施し、運動に親しむ児童生徒の育成を図るとと
もに、体力・運動能力の向上と運動部活動の活性化に努めた。
2 学校保健・学校安全の充実
学校における保健安全の充実を図るため、学校保健関係教
職員に対して「保健教育・安全教育指導者研修会」を県内3
箇所で開催するとともに「エイズ教育指導者研修会」を県内
6箇所で開催、養護教諭に対しては、新採用・経験者 1 及び
3 の研修会を開催し、養護教諭等学校保健関係教職員の資質
の向上に努めた。
保健管理の面では、児童生徒及び教職員の健康診断を実施
し、疾病・異常の早期発見に努めた。
また、研究推進校関係では、「エイズ教育(性教育)推進
地域事業」(文部省指定)を梁川町に指定し、指導体制の整
備と予防教育の実践に努めるとともに「むし歯予防推進校」
(文部省指定)を相双地区の鹿島町立鹿島小に指定してむし
歯予防の推進に努め、さらに、「健康つくり推進校」(県教
育委員会指定)を会津地区の山都町立山都第一小に指定して
健康教育を総合的に推進し、それらの実践研究と成果の普及
に努めた。
次に、安全教育・安全管理の徹底を図るため、学校安全関
係教職員を対象に「交通安全教育指導者研修会」を県内3箇
所において開催し、その資質の向上に努めた。
また、日本体育・学校健康センター委嘱による「学校安全
研究推進校」を喜多方第一幼稚園に指定して、安全教育を総
合的に推進し、その成果を地域の学校に普及させるよう努め
た。さらに、同委嘱による「学校事故防止対策に関する実践
的研究事業」に取り組み、けがや自転車事故の実態把握とと
もに、災害事故及び交通事故防止の研究に努めた。
顕彰事業関係では、県教育委員会が行う「よい歯の学校
表彰」や「健康推進学校表彰」等のほかに、県学校保健会が
行う「学校保健優良学校表彰」、日本体育・学校健康セン
ターが行う「学校安全優良学校表彰」を行い、これらの
顕彰事業への応募によって、自校の健康教育にかかわる課題
の的確な把握や学校保健・学校安全の推進母体である学校保
健委員会の活性化が図られるよう努めた。
3 学校給食の充実
本年度の学校給食の実施状況を児童生徒数で見ると、完全
給食は小学校で98.5%、中学校では80.5%の実施率とな
っている。
米飯給食は、小・中学校とも完全給食実施校では100%の
実施率となっている。
学校給食費は、一食当たり小学校(中学年)で226円95
銭、中学校で265円73銭となっている。
次に、学校給食の充実を図るため、給食関係職員を対象に
新任学校給食主任研修会を県内4箇所において開催したのを
はじめ、学校栄養職員を対象に新採用・専門研修会を開催し
て、教育的指導力や資質の向上に努めた。更に新規事業とし
て、校長、教頭等に対し、給食の管理運営や指導上の専門的
知識を高める講習会を行い、健康教育の一環としての学校給
食指導の充実に努めた。
さらに、食中毒や労働災害等の事故防止を図るため、研修
会及び文書・広報等により衛生思想の啓発、安全管理の指導
に努めた。
また、県教委指定「学校給食改善研究指定校」2校を指定
し、実践研究及び公開発表を通じて、学校給食の改善・充実
を推進するとともに、地域に根ざした学校給食を実現するた
め学校・家庭・地域との連携に努めた。
4 研究大会の開催
第17回福島県学校体育、保健・安全、給食研究大会を県内
関係者550名の参加を得て、相馬市民会館を主会場に1日の
日程で開催した。
「自ら進んで健康で安全な生活ができる幼児・児童・生徒
の育成を目指して」を大会主題に掲げ、生涯にわたって健康
で明るく豊かな生活のできる幼児・児童・生徒を育成するた、
め、学校体育、保健・安全、給食の諸問題について研究協議
するとともに、具体的な指針を見いだし、多くの成果を収めた。