教育年報1994年(H6)-089/231page

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 第2節 学校教育

 1 概    要

(1) 指導行政の基本方針

  新世紀ふくしまを担う「明るく個性豊かな人間の育成」

 を掲げた「第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜

 平成12年度)」の長期的展望に立った第2年次として「養

 護教育の充実」を掲げ、適正就学の推進、児童生徒の障害

 の重度化・重複化等心身の障害の多様化に対応するため、

 障害の状態及び能力・適性等に応じる教育を一層進めて、

 可能な限り積極的に社会参加・自立する人間の育成を目指

 した教育に努めた。

  また、心身に障害のある児童生徒の経験を広め、社会性

 を養い、好ましい人間関係を育てるため、地域や学校の実

 態等に応じ、学校の教育活動全体を通じて、障害のない児

 童生徒及び地域社会め人たちと活動を共にする機会を積極

 的に設け、小・中学校の児童生徒、教職員、地域住民が心

 身障害児に対する正しい理解と人間尊重の精神に根ざした

 心の触れ合いのあり方を深めるように努めた。

  加えて、平成5年1月28日付け文部省告示第7号、文

 初特第278号通達により、「通級による指導」が制度化さ

 れたことにともない、ふれあい通級スタディプラン研究協

 議会、心身障害児就学指導講習会、軽度心身障害児指導法

 セミナー等で趣旨の周知に努めた。

(2) 指導組織

  課長、課長補佐、主任管理主事兼振興係長、管理主事、

 主任指導主事各1名、指導主事3名及び副主査1名、主事

 1名、各教育事務所養護教育担当指導主事7名(兼任)及

 び養護教育担当学校教育指導委員14名(県立学校7名、公

 立学校7名)をもって指導に当たった。

(3) 学校教育指導の重点

  前記の基本方針に基づき、指導の重点を次のように設定

 し、指導の充実を図った。

 1) 教育内容・方法の改善充実

  ア 特殊教育教育課程編成管理講習会を障害種毎に開催

   し、盲・聾6養護学校の学習指導要.領を踏まえ、教育

   課程の円滑な実施を図るため、年次計画により盲・聾

   ・養護学校、特殊学級の教員に対し、教育課程編成の

   工夫や管理の研究を通して、指導内容・方法の改善と

   指導力の向上に努めた。

  イ 児童生徒の心身の障害の種類・程度及び発達段階や

   適性等に応じて、社会参加・自立を目指すために必要

   な基礎・基本となる学力の向上と指導法の改善を図る

   ため、県立盲・聾・養護学校、市立養護学校を含めた

   養護教育改善対策会議を開催し、「社会参加・自立を

   図る養護教育の在り方―小・中・高等部を通した指導

   の一貫性―」の研究に努めた。

  ウ 県立学校共同訪問(10校)、特殊学級設置校共同訪

   問(12校)により、心身障害児の学習指導、生徒指導、

   管理運営等の諸問題について協議を深め、指導助言を

   行い、学校・学級運営の質的向上に努めた。

  エ 研究学校を指定し、教育課程、指導内容・方法の改

  善充実に努めた。

   心身障害児理解推進校(小学校1校、中学校1校)

2) 交流教育の推進

   養護教育地域交流推進事業実施校(精神薄弱養護学校

  1校、協力校小学校1校、中学校1校、協力地域1地区)

  を指定し、心身障害児が心身に障害のない児童生徒や地

  域社会の人たちと活動をともにすることにより、心身障

  害児の経験を広め、社会性を養い、好ましい人間関係を

  育てるためだけでなく、特に学校周辺の地域住民、小・

  中学校の児童生徒や教職員が心身障害児とその教育に対

  して正しい理解と認識を深めるとともに、互いに連帯意

  識を育むことに努めた。

3) 軽度心身障害児の指導の充実

   小・中学校の通常の学級に在籍する軽度心身障害児を

  担任する教員を対象とし、県立養護学校を会場として軽

  度心身障害児指導法セミナーを6盲・聾・養護学校を会

  場として開催した。授業参観、会場校教員による講話、

  研究協議、「心身障害児を支える学級集団〜一人一人を

  みつめて〜」という資料を用いて講義を行い、軽度心身

  障害児と関わりのある人々との関係や指導の在り方につ

  いて研修を行った。

4) 生徒指導の充実

   児童生徒の障害の状態や発達段階を教職員の共通理解

  の基に生徒指導の機能を生かし、児童生徒一人ひとりの

  自己実現を図るとともに、校内の指導体制を強化し、小

  ・中・高等部一貫した指導の推進に努めた。

5) 進路指導の充実

   心身障害児が自己の長所を知りその発展を図り、将来

  の可能性のなかから、自分で進路を決めることができる

  ようにするため進路指導の推進に努めた。

6) 指導職員の資質の向上のため、研修の充実に努めた。

  ア 養護教育担当指導主事会議(2回)

  イ 県立学校教育指導委員連絡協議会(1回)

7) 教職員の資質と指導力の向上のため、教職員研修の充

  実に努めた。

  ア 盲・聾・養護学校初任者研修の実施

    本年は初任者研修本格実施3年目であり、これまで

   の試行や昨年の結果をもとに国際理解を研修内容に加

   え実施した。

    38名の初任者は、学級担任または副学級担任となり、

   教育実践を通し指導力と使命感を養い、幅広い知見を

   得させ、その後の教員としての資質向上の基礎を形成

   することに努めた。

  イ 特殊教育新任担当教員研修会、養護教育研修主任研

   修会、養護教育教務主任研修会、寄宿舎職員研修会、

   訪問教育担当教員研修会の実施

  ウ 養護教育長期・短期研修生の派遣

8) 心身障害児就学指導の推進

   心身障害児就学指導講習会を開催し、地域の実態に即

  した適正な就学指導を進めるため、市町村教育委員会の

就学指導担当者及び小・中学校、盲・聾・養護学校の校


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