教育年報1997年(H9)-227/258page
第18章 福島県郡山少年自然の家
第1節 概要
郡山少年自然の家は、生涯学習時代に対応し、恵まれた自
然環境の中における野外活動や集団宿泊活動を通じ、心身と
もに健全な少年を育成することを目的とした社会教育施設で
あり、昭和47年8月に開所して以来、延べ利用者が109万人
を超えた。
本年度は、利用者にとって「魅力ある施設づくり」を目指
して、次のような教育目標を掲げ、その実現に努めてきた。
《教育目標》
○ 自ら進んで、楽しく活動をくり広げられる少年
(自主性と創造性)
○ 自然を愛し、人を愛する豊かな心をもつ少年
(思いやりと情操)
○ みんなと協力し、助け合い、励まし合う少年
(社会性と協調性)
○ 健康を増進し、働くことに喜びをもつ少年
(健康と実践力)
1 運営委員会
(1) 第1回運営委員会(平成9年7月11日開催)
(2) 第2回運営委員会(平成10年2月20日開催)
(3) 運営委員会の組織
運営委員会の委員は、次のとおりである。
氏 名 役 職 名 青田裕之 福島県公民館連絡協議会理事 伊藤合見 福島県子ども会育成会連合会会長 ◎太田緑子 福島県青少年教育振興会会長 国馬善郎 郡山女子大学短期大学部助教授 佐藤憲保 福島県議会議員 舘美文 福島県市町村教育委員会連絡協議会常任委員 ○丹治勇 郡山市教育委員会教育長 早川敬介 福島県PTA連合会副会長 本名正一 福島県小学校長会理事 吉田勝人 福島県中学校長会副会長 氏名は五十音順 ◎印 議長 ○印 副議長
2 平成9年度重点目標と成果
(1) 利用団体への支援
1) 利用団体が研修成果を上げ、利用者が感動を持つため
には、利用団体が主体的に活動できるよう支援すること
が大切である。
そこで、利用団体の指導者と連携を密にし、研修活動
のねらい・活動種目・実践方法に対して助言・援助を行
うとともに、事前研修会への参加・事前打合せや実地踏
査・下見等を奨励し、各利用団体が主体的に活動できる
よう支援した。
2) プログラムの編成にあたっては、利用者の興味関心や
体験等、実態に即した利用団体の独自性をもった活動を
奨励した。
さらに、利用者が自然や友だちや自分自身とのふれ合
いを一層深められるよう、ゆとりある日程と弾力的な活
動の推進をはたらきかけた。
(2) 利用者の声を生かす
1) 運営委員会等関係諸機関の提言を十分生かし、運営改
善に努めた。
2) 利用団体の指導者及び利用者の声をアンケート等によ
り集約し、分析して、運営に生かすようにしてきた。
特に、食事の提供については、一部バイキング方式を
取り入れ、改善を図った。また、野外炊飯メニューも、
品数を増やしたり、内容を見直したりして改善を図った。
(3) 環境教育の視点に立った環境整備
1) よく手入れされた環境を目指して、日常点検や活動開
始前の点検をしっかり行うように心掛けた。
2) 自然保護に配慮して、自然と共生するコース案内板等
の補修及び更新を行ってきた。特に、木にやさしくとい
う考えに立って、針金による補修を行わないようにした。
(4) 多様なニーズに対応できるプログラムの開発
1) 利用団体の研修のねらいも年々多様になってきており、
新たなプログラムの開発が必要である。
特に、学校教育団体の利用に向けて、環境教育の観点
からと、学社融合という観点からプログラムの開発を行っ
てきた。
環境プログラムについては、いろいろなネイチャーゲ
ームを用意し、遊びを通じて自然に対する興味関心を高
められるようにした。
学社融合プログラムについては、文化財めぐりを中心
とした社会科学習や、環境教育を中心とした理科学習な
どで、実践してきた。
2) 既存の活動種目を見直し、改善を加えた。特に、プロ
グラムの内容が実態に合っているかという観点から再吟
味して、より多くの利用者が楽しむことのできる内容に
改めた。また、実施頻度の多い活動種目のカードを作成
し、利用者に手軽に活用できるようにした。
(5) 広報活動の展開
1) 多くの利用者に利用してもらえるよう、利用拡大に向
けて、積極的に広報活動を行ってきた。報道機関を通じ
た周知活動や、スポーツ少年団をターゲットとした利用
の啓蒙により利用拡大が図られた。利用者数及び利用団
体数の上からも、社会教育団体の利用が大きく増加して
いる。