教育年報1998年(H10)-120/270page
2 海水取水・送水設備工事
本施設においては、特に飼育展示する生物に必要な新鮮で
良質な海水を入手するため、海水取水・送水施設を設置する
こととし、海水取水・送水設備工事の内、平成10年度新たに
以下の工事に着手(契約)した。
(1) 取水ポンプ棟新築工事
工事区分 契 約 期 間 契約金額(千円) 契 約 先 建 築 10.8.7〜11.4.30 24,780 株式会社作山工務所 電 気 10.8.7〜11.4.30 29,190 曾川電機株式会社 機 械 10.8.7〜11.4.30 32,550 株式会社久工業所 (2) ろ過送水棟新築工事
工事区分 契 約 期 間 契約金額(千円) 契 約 先 建 築 10.8.7〜11.4.30 92,400 株式会社三崎組 電 気 10.8.7〜11.11.30 76,335 大和電設工業株式会社 機 械 10.8.7〜114.30 140,700 クレハ設備株式会社 (3) 取水・送水設備工事監理業務委託
契 約 期 間 契約金額(千円) 契 約 先 10.8.7〜11.12.14 7,644 有限会社いわき設備設計事務所 (4) 送水設備工事
工事区分 契 約 期 間 契約金額(千円) 契 約 先 3工区 10.12.14〜11.10.29 77,700 常磐土建株式会社 4工区 10.12.14〜11.9.30 82,950 堀江工業株式会社 5工区 10.12.14〜11.9.30 89,250 株式会社吉多美工業 6工区 11.2.18〜11.7.29 24,570 東開工業株式会社 3 展示生物収集、蓄養施設設置
(1) ストックヤードの設置
展示生物の事前蓄養(飼育)を行う施設として、ストッ
クヤード(陸上蓄養施設)を2棟設置した。
・ 場所;いわき市小名浜下神白
・ 施設;軽量鉄骨平屋造
置水槽棟:241.93m21棟(平成10年7月1日契約)
置水槽約100台設置
設置水槽棟:788.42m21棟(平成11年1月26日契
約)
(2) 南方系生物の現地蓄養施設
本施設の「黒潮大水槽」等において展示を予定している
大型魚類の採集・蓄養を行うため、海上生け簀を借り上げ
蓄養施設を設置した。
・ 場所;鹿児島県大島郡(奄美大島)沿岸
・ 施設;生け簀
4 飼育困難生物の飼育実験
(1) 概要
本施設では、21世紀に向けて特色ある施設づくりを目指
す一環として、今まで飼育が困難とされていた海洋生物の
飼育実験を行い、その研究成果を展示に活かすことにして
いる。そのため、以下の調査・研究を行った。
1) 飼育困難生物(水族館では飼育展示が困難とされてい
る生物)の展示を可能にするための飼育研究
2) 福島県下に生息している生物の収集ルート等の開発
(2) サンマの飼育実験
1) 実験の概要
サンマの周年展示には、卵〜稚仔魚の期間の展示端境
期をどのように乗り切るかという問題がある。サンマに
は産卵期のズレがあり、このズレをうまく利用して、稚
魚あるいは卵を収集し育成後展示することが必要となる。
また自然界からの展示生物補給では、確実に入手でき
るとは限らないことから、平行して飼育下で繁殖させ自
己生産を行う研究が重要となる。このような課題に対応
した調査・研究を行った。
2) 実験項目
・ サンマ卵の採集、輸送、管理に関する実験
・ 稚仔魚の育成に関する実験
・ 水槽内産卵に関する実験
・ 飼育下で得られたサンマ稚仔魚の育成実験
・ 水槽内展示技術の開発、確立に係る実験
3) 実験成果
・ 世界初のサンマ累代飼育を継続
・ 産卵、孵化させ育成した成魚の飼育日数が485日を
超えた。
このように、外洋性の魚類(サンマ)を、長期飼育し、
完全飼育下で産卵・孵化させ成魚まで育成するなど、飼
育技術上、大きな成果を挙げることができた。
実験施設で産卵・孵化した「サンマ」群(10年5月撮影)
(3) その他の生物の飼育実験
1) 希少生物等の収集及び飼育
タガメ、アサザ、アカザ、ヌエハゼ、シナイモツゴ等
の発見、収集及び飼育を継続実施
2) 水槽内繁殖
県の天然記念物に指定されているイトヨを始め、ゴク