教育年報1998年(H10)-141/270page

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第12章 スポーツ・健康

第1節 概要

 平成10年12月に開催された第10回女子高等学校駅伝競走大

会における田村高等学校の全国初制覇は、多くの県民を感動

の渦に巻き込むと同時に、大きな活力を与えてくれた。

 また、全国中学校体育大会や全国高等学校体育大会、国民

体育大会をはじめとして各種の全国大会で、多くの生徒や本

県出身の選手が優勝するなど、本県のレベルの高さを全国に

示すことができた。

 スポーツは、人間の可能性の極限を追求する競技スポーツ

から、健康で潤いのある生活を実現する生涯スポーツまで、

その目的や実施方法、スタイルは様々であり、ボランティア

としてスポーツを支える活動やスポーツを見て楽しむなどを

含めると、その形態は、実に多様化したものとなっている。

 さらに、障害のある人も障害のない人と同様に、障害の種

類・程度や体力等に合わせてスポーツに親しんだり、競技力

や記録の向上を目指すものなど多様なものとなってきている。

21世紀を間近に控え、今後とも社会環境の変化が更に進展す

ると予想される中、スポーツは心身ともに健康な生活を営む

上で不可欠なものとして認識され、ますますその重要性が高

まるものと考えられる。

 スポーツと健康教育を所管する本課としては、スポーツの

基礎・基本を培う学校体育の充実をはじめ、競技水準の向上

を目的とする競技スポーツや体力・年齢に応じてスポーツに

親しむ生涯スポーツの振興、更には施設・設備の充実を図る

など、幅広い取組みを通してスポーツの普及・振興に努めて

いる。

 また、健康教育の推進については、児童生徒が生涯にわた

り心身の健康の保持増進に必要な知識、能力、態度及び習慣

を身に付けることを通じて、たくましく生きる意志と意欲、

価値観を形成するなど、「生きる力」をはぐくむため、学校

保健や学校安全、学校給食の各分野において指導の充実に努

めている。

 今日の社会の多きな変化のうねりの中にあって、児童生徒

の健康にも様々な問題が発生している。特に、体力・運動能

力の低下や活発に運動する者とそうでない者との二極化して

いる現状などが指摘される一方、O157等への対策やエイズ

教育の充実、生活習慣病の予防や薬物乱用防止の指導、心の

健康教育等が大きな課題となっている。

 スポーツ健康課としては、これらの課題に適切に対応する

ため、各種の事業を通して、その解決に努める考えである。

1 学校体育の充実

 学校における体育・スポーツ活動の充実を図るため、学校

体育主任や体育担当者、運動部活動担当者を対象にした各種

研修会や体育実技指導講習会をはじめ、豊富な指導経験をも

つ民間の優れた指導者を学校に派遣する指導協力者派遣事業

等を通して指導者の資質の向上と児童生徒の体力及び技能の

向上に努めた。

 また、文部省指定の「体力つくり推進校」、「武道指導推進

校」・「運動部活動研究推進校」、「選択制授業研究指定校」の

各種研究校における実践研究や公開発表を契機として、体力

の向上のための手だてや生涯にわたって積極的に運動に親し

む資質や能力を育成する学習指導の在り方など、今日的な課

題の解決法について広く普及に努めた。

 さらに、本県の児童生徒の体力・運動能力の実態を把握す

るためスポーツテストを実施し、その結果を分析し活用を図

るとともに、体力つくりに積極的に取り組んでいる学校を紹

介するなど、各学校の実態に応じた体力つくりの推進に努め

た。

 また、小学校運動競技奨励事業や運動部活動外部指導者活

用事業を実施し、運動に親しむ児童生徒の育成を図るととも

に、体力・運動能力の向上と運動部活動の活性化に努めた。

 特に、新規の運動部活動リサーチ事業では、県内の全中学

校・高等学校より抽出した生徒・教師・保護者・外部指導者

を対象にアンケート調査を実施し、今後の本県の運動部活動

の在り方についての指針等を示すための基礎データをまとめ

た。

2 学校保健・学校安全の充実

 学校における保健教育の充実を図るため、学校保健関係者

(保健主事、養護教諭等)を対象に「保健教育指導者研修会

(エイズ教育・薬物乱用防止教育を含む)」を、県内3箇所で

開催した。養護教諭の資質の向上を図るため、新規採用養護

教諭研修、経験者研修1・2・3を悉介研修とし、研修の内

容の充実に努めた。また、保健室相談活動研修会を開催し、

その相談技能の向上に努めた。

 また、文部省の補助事業として平成7年度から平成10年度

にかけて、「応急処置研修会」を公立中学校の保健体育担当

教員全員に実施することとし、本年度は県北管内を対象とし

て実施した。

 保健管理面では、児童生徒及び教職員の健康診断を実施し、

疾病・異常の早期発見に努めた。

 指定校関係では、「エイズ教育(性教育)地域指定推進事

業」(文部省指定、平成8年度〜平成10年度)を棚倉町教育

委員会が指定を受け、県立東白川農商高等学校を含め小・中

学校が一体となって、研究のまとめを行った。

 また、「歯・口の健康つくり推進指定校」(文部省指定、平

成9年度〜平成10年度)の鮫川村立鮫川小学校が最終年度と

なり、研究発表会や研究報告書を作成し、研究成果の普及に

努めた。

 次に、安全教育・安全管理の徹底を図るため、学校安全関

係職員を対象に「安全教育指導者研修会(防災教育、災害時

の心の健康教育を含む)」を県内3箇所において開催し、そ

の資質の向上に努めた。


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