平成12年度教育年報 -137/272page

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第11章 スポーツ・健康

第1節 概   要

 平成12年度の本県スポーツ界を振り返ってみますと、今世紀最後となるシドニーオリンピックに本県関係者4名が出場し、パラリンピックでは自転車男子タンデム1000mタイムトライアルでパイロットとして出瘍した水沢耕一選手が世界記録で優勝、車いすバスケ女子で増子恵美選手が3位、さらに福岡国際マラソンでは藤田敦史選手が日本最高記録で優勝し世界選手権代表となるなど大活躍をいたしました。
 また、全国中学校体育大会や全国高等学校体育大会、国民体育大会をはじめとして各種の全国大会で、多くの生徒や本県出身の選手が優勝するなど、本県のレベルの高さを全国に示すことができました。
 スポーツは、人生をより豊かにし、充実したものとする人間の身体的・精神的な欲求にこたえる世界共通の人類の文化の一つです。心身の両面に影響を与える文化としてのスポーツは、現代社会において、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成や個々人の心身の健全な発達に必要不可欠なものと言えます。
 21世紀を迎え、社会の情勢がめまぐるしく変化することが予想される中、本課の所管する「スポーツの振興と健康教育の充実」には、ますますその重要性が求められていることから、各部門においては、心豊かで潤いのある学校教育の実現並びに県民の多種多様なニーズに応えられる各種事業を展開しているところであります。
 保健安全については、児童・生徒及び教職員の健康の保持増進、保健・安全教育の充実や養護教諭等、健康教育担当教員の資質の向上を図るための各種研修会の開催等事業を実施しました。特に今年度は、各学校における学校保健委員会の活性化を重点課題とし、関係機関と連携を図り健康教育を稔合的に推進しております。
 学校給食については、食に関する指導の充実に努めるとともに、食中毒の絶無を期すため関係機関・団体との連携による各種研修会の開催、給食用物資の品質向上等安全で豊かな学校給食の実現に努めております。
 学校体育については、児童・生徒に運動の楽しさを十分味わわせ、生涯にわたって積極的にスポーツに親しむ資質や能力を育成し基礎的な体力の向上を図るため、教員の資質の向上に努めるとともに児童生徒の多様なニーズに応えるため、水泳の授業や運動部活動に外部指導者を派遣しています。
 生涯スポーツについては、「稔合型地域スポーツクラブ」の育成・定着を図るため、その支援機能を有する「広域スポーツセンター」を全国に先駆けて(株)Jヴィレッジに設置し、県民の豊かなスポーツライフの実現に努めております。
 競技スポーツについそは、「スポーツに強いふくしま」の定着を図るため、一貫指導システムの構築をめざし、指導者の資質の向上、ジュニア層の育成の推進に努めております。
 しかしながら、新世紀を迎え社会の大きな変化の中、受験競争の過熱化、いじめや不登枚の問題、学校外での社会体験の不足など、子ども達の豊かな人間性をはぐくむべき時期の教育に様々な問題があります。
 本県といたしましても、運動に興味をもち活発に運動する者とそうでない者に対する対応策、心の健康問題、学校給食を軸にした食に関する指導の充実、「スポーツに強いふくしま」の確立に向けた新たな競技力向上策の構築、地域に根ざした「地域給合型スポーツクラブ」の育成等早急に対応しなければならない問題が山積しております。
 これらの課題の打開策や各事業の進捗状況、研究推進校の実践例等を参考にして、各校独自に対応策を研究していただくとともに、今後とも事業の推進についてご理解・ご協力くださるようお願いいたします。

1 学校体育の充実

 学枚における体育・スポーツ活動の充実を図るため、体育主任や体育担当者、運動部活動担当者を対象とした各種研修会や体育実技指導者講習会をはじめ、豊富な指導経験をもつ民間の優れた指導者を学校に派遣する指導協力者派遣事業等を通して指導者の資質の向上と児童生徒の体力及び技能の向上に努めた。
 また、文部科学省指定の「体力つくり推進校」、「体育・スポーツ推進校」、「武道指導推進校」の各種研究推進校における実践研究や公開発表を契機として、体力向上のための手立てや生涯にわたって積極的に運動に親しむ資質や能力を育成する学習指導のあり方など、今日的な課題の解決法について広く普及に努めた。
 さらに、本県児童生徒の体力・運動能力の実態を把握するため体力・運動能力調査を行い、その結果を分析し活用を図るとともに、体力つくりに積極的に取り組んでいる学校を紹介するなど、各学校の実態に応じた体力つくりの推進に努めた。
 次に小学校運動競技奨励事業や運動部活動外部指導者活用事業を実施し、運動に親しむ児童生徒の育成を図るとともに体力・運動能力の向上と運動部活動の活性化に努めた。

2 学校保健・学校安全の充実

 学校における保健教育の充実を図るため、学校保健関係者(保健主事、養護教諭等)を対象に「保健教育指導者研修会(エイズ教育・薬物乱用防止教育を含む)」を、県内3箇所で開催した。養護教諭の資質の向上を図るため、新規採用養護教諭研修、経験者研修I・II・IIIを悉介研修とし、研修の内容の充実に努めた。また、保健相談活動研修会を開催し、その健康相談活動の向上に努めた。
 また、保健福祉部と連携して、「うつくしまふくしまっ子心の健康セミナー」を開催し、学校・家庭・地域が一体となった健康教育の在り方について研究大会を開きました。


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