平成12年度教育年報 -206/272page
主な事業として、「所報 養護教育51、52号」、「研究紀要第15号」、ミニコミ誌「ふれあいネット第5、6号」等の発行及び「就学相談の日相談」におけるポスター・リーフレット等の配付による広報活動を行った。これらは、県内の幼稚園、小・中学校、盲・聾・養護学校をはじめ養護教育関係機関等に配付した。
また、県教育庁広報誌「教育福島」や各教育事務所広報紙等の掲載や各種メディアを通して、県民の養護教育に対する理解と認識を深めるよう啓発活動を行った。
6 情報教育事業
特別な配慮を必要とする児童生徒の情報機器活用についてキーボードヤマウスによらない入力装置の開発や周辺機器も含めた設定方法、ディスプレイでの表示方法、内容等一人一人のニーズや操作性について、総合的に考慮した研究を行った。
情報通信ネットワークの活用を目指し、当養護教育センターWebページを開設し、事業の概要を紹介するとともに、所内に蓄積する各種情報のデータベース化を図り、一部Web上に公開した。
第2節 障害児の教育相談事業
1 相 談 対 象
対象は、障害のあるまたはその疑いのある乳幼児・児童生徒等であり、障害の種類は次のとおりである。
○ 視 覚 障 害 ○ 病弱・身体虚弱
○ 聴 覚 障 害 ○ 言 語 障 害
○ 知 的 障 害 ○ 情 緒 障 害
○ 肢 体 不 自 由 ○ 重 複 障 害
2 形 態
(1)来 所 相 談
電話等での申し込みにより、来所日時をあらかじめ調整し、相談者の来所による教育相談を行った。また、相談の内容によっては電話による相談も行った。
(2)地域相談室相談
県内の3か所に地域相談室を設置し、各障害の相談に応じられるように配慮して相談員を委嘱した。地域相談室では、来室による相談と電話による相談を行った。
〈年齢・学校別相談件数〉
年齢・学校
形態
幼児(歳) 小 学 校(年) 中学校(年) 高等学校(年) 一般他 計 0〜4 5 1 2 3 4 5 6 1 2 3 1 2 3 来所相談 実件数 31 33 41 33 24 26 23 31 22 20 16 16 10 4 25 355 延件数 123 155 226 134 146 105 103 162 105 92 83 139 90 17 120 1,800 地域相談 実件数 63 109 15 11 10 11 11 21 18 20 18 5 2 0 19 333 延件数 433 487 56 27 30 35 54 65 60 67 111 32 5 0 178 1,640 計 実件数 94 142 56 44 34 37 34 52 40 40 34 21 12 4 44 688 延件数 556 642 282 161 176 140 157 227 165 159 194 171 95 17 298 3,440 (3)「就学相談の日」相談
ア 事業内容
障害児の発達状況や教育措置に対する正しい認識が得られるように、地域相談室を会場にして地域相談室相談員や養護教育センター所員による就学相談会を実施し、適正就学に関する啓発活動の充実を図った。
イ 相談件数 26件
県北地域相談室 7件
会津地域相談室 13件
浜通り地域相談室 6件
〈地域相談室〉
設 置 場 所 住所並びに電話番号 県北地域相談室 (県立聾学校福島分校内) 〒960−8002
福島市森合町6−34
電話 024(531)5013会津地域相談室(県立聾学校会津分校内) 〒965−0006
会津若松市一箕町大字鶴賀字下柳原102
電話 0242(22)1286浜通り地域相談室(県立聾学校平分校内) 〒970−0116
いわき市平馬目字馬目崎61
電話 0246(34)22023 現状と課題
障害のあるまたはその疑いのある子供の教育相談は早期からの療育支援や子供の成長に即した長期にわたる援助が必要である。そのためには、県心身障害児総合療育センター、保健所、保健センター、幼稚園(保育所)、学校、さらには障害児に関係する機関等との情報交換により密接な連携を図っていくことが必要であり、地域に根ざした早期からの教育相談システムを充実していくことが求められる。
相談は、不登枚、学習障害、注意欠陥多動性障害、知的障害に関する件数が多く、障害の特性に応じた対応の仕方や効果的な指導法の在り方についての相談内容が多数を占めている。
そのため、来談者一人一人のニーズに応じた相談が図られるよう、相談員の資質を高める研修が求められている。