レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -027/451page
絶滅危惧T類 キセルゴケ科
ミギワイクビゴケ Diphyscium chiapense D. H. Norris 全国カテゴリー;絶滅危惧T類【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】葉細胞に1個の高いパピラをもつこと、雌苞葉の葉身の肩にはシリアがでないこと、雌苞葉の先が平
滑なこと、渓流沿いの岩上に生育することなどにより他のイクビゴケ属の種と区別される。
【分布】本州、四国、九州、琉球のほかフィリピン、メキシコに分布する。
【県内の分布、生育状況】渓流沿いの地上や岩上に生育するが、産地が少ない。現在知られている県内の産地は木
戸川渓谷、広野町、霊山町などである。
【生育に影響を与えている要因】森林の遷移進行、土地開発、河川の改修
【主要文献】
Deguchi, H. J. Ueno and T. Yamaguchi, 1997. Taxonomic notes on Diphyscium species with unipapillose leaf cells. Journ. Hattori Bot. Lab.82:99-
104.
絶滅危惧T類 キセルゴケ科
カシミールクマノゴケ Theriotia kashimirensis H. Rob. 全国カテゴリー;情報不足
【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少
【形態】植物体はクマノゴケよりかなり小形で高さ0.5〜1p。赤褐色から深緑色。葉はクマノゴケのようにひも状で長さ9o、湿ると開出するが乾燥すると縮れる。さくはイクビゴケに似て非相称長楕円形で直立する。
【分布】福島県以南の本州、四国、九州のほかカシミールに分布する。
【県内の分布、生育状況】今のところ福島県が北限で鹿島町立石の標高200〜300mからの報告がある。生育場所は一般に沢沿いの日当たりの良い、水面から離れた岩壁面に着生する。クマノゴケよりも多少乾きぎみの場所を好む。分布の北限。
【生育に影響を与えている要因】異常な河川の氾濫
【主要文献】
Deguchi, H.,1984. Study on Theriotia kashimirensis (Diphysciaceae,
Musci). Bull. Natn. Sci. Mus., Ser. B, 10(3):143-152.