レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -028/451page

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絶滅危惧T類 キセルゴケ科

クマノゴケ
Theriotia lorfolia Card
全国カテゴリー;絶滅危惧T類

【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】植物体は暗緑色で水辺岩壁に着生してマットを形成する。葉はひも状で長さ6〜12o、湿ると開出するが、乾くと内側に巻く。中肋は広く葉身の大部分を占め、葉身の断面は楕円形に近く、背腹の表面および中央に各1層の葉緑細胞があり、それらの間は各数層の透明細胞で占められる。さくはみられにくい。
【分布】本州、四国、九州のほかインド、中国、朝鮮に分布する南方要素である。
【県内の分布、生育状況】渓流の水しぶきをかぶる岩壁に暗緑のマットをつくる。矢祭山、木戸川渓谷、背戸峨廊、原町市大原から報告がある。
【生育に影響を与えている要因】河川の改修、河川の氾濫、河川の水量不足、水質汚染
クマノゴケ
 

 

絶滅危惧T類 ホウオウゴケ科

ジョウレンホウオウゴケ
Fissidens geppii M. Fleisch.
全国カテゴリー;絶滅危惧T類

【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】ホウオウゴケの仲間は葉が茎に対して2列にひろがり、葉の基部は下部で2片に分かれて茎を抱くという特徴がある。本種の葉縁は透明な長い舷細胞で全周が縁取られ、舷細胞は断面で2−数細胞の厚さがある。中肋は葉頂近くに達する。さく柄は茎の頂部の葉腋に1〜2本、発育の悪い個体では見あたらないことが多い。
【分布】本州、四国、九州、伊豆七島のほか、朝鮮、台湾、ボルネオ、ジャワ、スマトラ、インドに分布する。
【県内の分布、生育状況】八溝山山麓の渓谷で知られている。水辺の地上に生育していたが、最近、数回にわたる再調査では確認されていない。八溝山は太平洋側では生育地の北限である。
【生育に影響を与えている要因】河川の氾濫、河川の改修、森林伐採
【特記事項】林道の整備にあたっては極度の地形改変を避けるようにする。
【主要文献】
Iwatsuki, Z. and T. Suzuki, 1982. A Taxonomic Revision of the Japanese Species of Fissidens (Musci) Journ. Hattori Bot. Lab.51:329-508


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