レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -029/451page

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絶滅危惧T類 キヌシッポゴケ科

キヌシッポゴケモドキ
Brachydontium trishodes (F. Weber) Milde
全国カテゴリー;絶滅危惧T類

【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】植物体は微小で茎は長さ1o以下。葉は長さ1〜1.6oの線状披針形、中肋は太く葉身部分を占める。葉細胞は鞘部を除いて卵形〜菱形で膜が厚い。さくは頂生し卵形で直立し、乾くと深くしわよる。口環はよく分化し、さく歯は非常に短く、帽は鐘状。
【分布】本州(立山など)、中国、ヨーロッパ、北米に分布する。
【県内の分布、生育状況】高地の雪渓近くの硅酸を含む岩上に生育し、微少な蘚のため、登山者の踏みつけなどにより生育条件が厳しい状態におかれている。磐梯山、燧ヶ岳からの報告がある。しかし、微少な蘚で見いだすことがなかなか難しい。まれな蘚。
【生育に影響を与えている要因】普通の場合は、高山に生育するので心配はないが、無制限な登山者の歩行、登山道の拡大は生育を抑制する危険がある
【主要文献】
Iwatsuki, Z., 1956. Bryological miscellanies, W-Y. Journ. Hattori Bot. Lab.17:59-63.
 

 

絶滅危惧T類 キヌシッポゴケ科

サンカクキヌシッポゴケ
Seligeria austriaca T. Schauer
全国カテゴリー;絶滅危惧T類

【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】微少で約1〜2oの大きさ。茎は横断面でほぼ三角形。葉は3列につき長方形の基部から線状に狭くなり、先端は丸みを帯びた鈍頭。葉縁はほとんど全辺で中肋は幅広く、断面で2列の細胞よりなり、葉身細胞との境界は不明瞭。同属のコキヌシッポゴケと類似しているが、葉の配列が3列で葉の先端が鈍頭、中肋の横断面が2列の細胞からなる点で区別される。
【分布】本州、四国、九州のほかヨーロッパに分布する。
【県内の分布、生育状況】山地の日陰の石灰岩上でのみ知られており、鹿島町立石の石灰岩上から報告がある。ただし、最近は確認されていない。日本とヨーロッパに隔離分布する蘚類。
【生育に影響を与えている要因】石灰岩採掘、観光開発
サンカクキヌシッポゴケ


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