レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -033/451page
絶滅危惧T類 ムジナゴケ科
マツムラゴケ Duthiella speciosissima Broth. ex Card. 全国カテゴリー;準絶滅危惧【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】比較的大型の種である。植物体は黄緑色の美しい蘚で茎ははい15p前後にもなり不規則に分枝する。は密に着生し長さ3〜4oの卵状披針形、葉基部は不明瞭ながら耳状となる。葉縁には歯があり葉細胞は狭六角形ないし線形で中央に1個のパピラがある。さくはなかなか見られない。
【分布】関東以南の本州、四国、九州のほか中国に分布する。
【県内の分布、生育状況】本州では関東地方以西に分布し福島県が北限である。県内では石灰岩地帯でのみ知られており、いわき市四倉町八茎、原町市新田川渓谷からの報告がある。
【生育に影響を与えている要因】石灰岩の採掘、河川改修
絶滅危惧T類 ヒラゴケ科
ヒメタチヒラゴケ Homaliadeiphus targionianus (Mitt.) Dixon et P. de la Varde var.rotundatus Nog. 全国カテゴリー;絶滅危惧T類【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】茎は長さ数pになりわずかに分枝する。葉は偏平につき、やや光沢がある。母種に比べ葉は円形で、基部は狭く、長さ0.8〜1.0o、幅0.7〜0.8oの大きさがある。この属の蘚の最も重要な特徴として、葉の基部の後の縁が小舌状となり、耳状に内側に折れ曲がることがあげられる。葉縁はほぼ全辺、葉身細胞は長さ20〜30μm。雌雄異株。
【分布】本州、四国、九州のほか中国、ベトナムに分布する。
【県内の分布、生育状況】鹿島町立石、原町市新田川渓谷の石灰岩上に着生する。どちらかというとやや乾燥気味の立地である。日本における北限である。今後、いずれの場所でも生育状況を注意深く見守る必要がある。
【生育に影響を与えている要因】石灰岩の採掘、道路の拡幅、遷移進行