レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -035/451page

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絶滅危惧T類 サナダゴケ科

オオサナダゴケ
Plagiothecium neckeroideum Schimp.
全国カテゴリー;絶滅危惧T類

【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】サナダゴケ科のサナダゴケ属の種は、茎の横断面を見ると表皮細胞は大きくて薄膜。葉は全辺かもしくは歯があっても葉先付近に限られ、葉基部は明らかに下延する。本種はこの属でも葉の先端には普通仮根や無性芽を生じるか、または少なくても仮根や無性芽を生じる部分の細胞は分化して幅広い。葉細胞は線形である。
【分布】北海道〜四国のほか台湾、中国、ヒマラヤ、タイ、フィリピン、スマトラ、ボルネオ、ジャバ、極東ロシアなどに分布する。
【県内の分布、生育状況】亜高山帯や特殊環境である風穴地など冷涼な地域の岩上や地上、腐植土上に見られる。甲子渓谷、沼尻、燧ヶ岳山麓小沢平、観音山風穴などから知られている。
【生育に影響を与えている要因】遷移進行、踏みつけ、森林伐採、道路工事
【特記事項】風穴地では遷移進行による樹冠の極度な被覆を避ける管理が望まれる。亜高山帯ではハイカーの踏みつけがおこらないよう対策が望ましい。
【主要文献】
Iwatsuki, Z., 1970. A Revision of Plagiothecium and its Related Genera from Japan and her Adjacent Areas, T. Journ. Hattori Bot. Lab.33:331-380.
オオサナダゴケ
 

 

絶滅危惧T類 ハイゴケ科

コウライイチイゴケ
Taxiphyllum alternans (Card.) Z. Iwats.
全国カテゴリー;絶滅危惧T類

【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】植物体は不規則に分枝して地表をはい、長さ5p前後になる。葉は茎に2列にゆるく着生し卵形〜広い卵形で長さ2〜4oで鋭頭。葉縁はほとんど全辺か、または細かい歯があり、中肋は2本で短いが、ときに葉長の1/3前後。葉細胞は線形、翼部の細胞は数が少なく、短形で1〜3列、葉縁で2〜5細胞が縦に並ぶ。さくは見つかっていない。
【分布】本州、四国、九州のほか朝鮮、中国、極東ロシア、北米東部に分布する。
【県内の分布、生育状況】湿地や水田の畦などに草本類に混じって生育するが、環境が変化すると絶滅する。県内では猪苗代町、福島市の水田の畦に見られたが、猪苗代では絶滅した可能性が強い。
【生育に影響を与えている要因】湿地開発、耕地整理、水田の管理放棄
コウライイチイゴケ


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福島県生活環境部環境政策室自然保護グループの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。