レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -038/451page
絶滅危惧T類 クサリゴケ科
ウニバヨウジョウゴケ Cololejeunea spinosa(Horik.) Pande et Misra
【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】植物体小型、3〜5o、常緑樹や常緑シダ類の生葉上に生育する。葉の背縁は卵形、円頭〜鈍頭、各細胞の背面に1個のパピラがあり、ウニを思わせることからこの名がある。腹片は卵形、腹面はパピラを欠き平滑。スチルスは1細胞かこれを欠く。雌雄同株。花被は倒卵形で5褶、パピラで被われる。
【分布】本州(福島県以南)、四国、九州、沖縄。日本特産。
【県内の分布、生育状況】楢葉町木戸川渓谷、いわき市背戸峨廊。福島県が北限となる。
【生育に影響を与えている要因】森林伐採
【特記事項】渓谷の空中湿度の高い常緑シダの葉の上に生育するので、渓谷林の保全が望ましい。
【主要文献】
福島県植物誌編さん委員会.1987.福島県植物誌.481pp.福島県植物誌編さん委員会.いわき.
絶滅危惧T類 アリソニア科
ミヤマミズゼニゴケ Calycularia crispulaMitt.
全国カテゴリー;絶滅危惧T類【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少
【形態】植物体は葉状、緑褐色、2〜4p、幅5〜7o、先端で二又に分枝する。中肋があり、縁は波打つ。腹面に無色の仮根があり、腹鱗片は線形、10〜20細胞長、3〜5細胞幅、側縁に2〜3本の突起がある。雌雄異様。偽花被は葉状体の中央部にあり杯型。
【分布】北海道から九州北部。日本以外では朝鮮、タイ、ヒマラヤ、メキシコ。分布は広いが産地は少ない。
【県内の分布、生育状況】原町市新田川渓谷が現在のところ唯一の産地。古生代の地層に生育し、古生代ニ畳紀の地層の岩上から知られるだけである。
【生育に影響を与えている要因】河川開発ダム建設
【特記事項】渓谷沿いにやや湿った岩上に生育するので、河川改修やダム建設は生育環境を危なくする。
【主要文献】
湯澤陽一.2000.原町市新田川渓谷の苔類.フロラ福島18:17-26.