レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -042/451page
絶滅危惧T類 オシダ科
カラフトメンマ Dryopteris coreano-montana Nakai
【選定根拠】D過去(30〜50年)の生育確認後、情報なし
【形態】夏緑牲で、オシダに似るが葉柄上部や中軸の鱗片はまばらである。葉柄下部の鱗片は淡い茶色か、栗色が交ざる。小羽片は間隔がやや広く、先端は鋭頭、やや深い鈍鋸歯があり、葉は柔らかく、厚紙質で淡い緑色。胞子嚢は、葉身より半分から上に付き、また小羽片の中肋の左右一列につく。
【分布】北海道、福島県、中部地方でややまれに分布する。朝鮮、旧ソ連東部に分布する。
【県内の分布、生育状況】山都町に分布記録があり、東北地方では本県のみに知られている。
【生育に影響を与えている要因】遷移進行
【主要文献】
倉田悟・中池敏之.1972.日本のシダ植物図鑑.東京.1:434.
絶滅危惧T類 デンジソウ科
デンジソウ Marsilea quadrifolia L.
全国カテゴリー;絶滅危惧U類【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少
【形態】夏緑性。根茎は細く、長くて泥の中をはい、不規則に分枝し、やや接して葉をつける。圧着した毛がある。葉柄の長さは水深によって変化大きく10〜20p、またはこれ以上の長さになり、無毛で緑色、基部は暗緑色。小葉は4枚、四つ葉のクローバーのように田の字に似て上端は丸みを帯びた倒3角形。胞子嚢果は有柄で、葉柄の基部より少し上に出る短い枝に2〜3個つける。
【分布】日本では広く分布し、水田、湖沼などの泥の中に根をおろし群生するが、現在は激減している。東アジア、インド北部、ヨーロッパに分布する。
【県内の分布、生育状況】高郷村、猪苗代町の水辺に記録があるが、高郷村の生育のみが確認された。
【生育に影響を与えている要因】水質汚濁、水田整備
【特記事項】生育地周辺の環境を保全することが望ましい。
【主要文献】
倉田悟・中池敏之.1987.日本のシダ植物図鑑.東京.5:778.