レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -044/451page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

絶滅危惧T類 カバノキ科

サクラバハンノキ
Alnus traveculosa Hand. -Mazz.
全国カテゴリー;準絶滅危惧

【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化B全ての個体群で強い捕獲・採取圧により減少
【形態】落葉高木で、高さ20mに達する。枝は灰褐色、若い時には帯黄色の毛があることもある。皮目は小さく、円形で散在。葉は長さ1〜2pの柄があり、卵状楕円形または長楕円形、細鋸歯あり。その先端には腺点があり、短鋭尖頭または急鋭頭、長さ5〜9p、幅2〜5p。側脈9〜12対、裏面に隆起し無毛または裏面脈上に毛があり、乾いて赤褐色を帯びる。花穂は卵状楕円形、長さ1.5〜2p、幅1〜1.4p、堅果は偏平、倒卵形。
【分布】茨城県・新潟県以西の本州と九州宮崎県に分布。国外では中国南部に生育している。
【県内の分布、生育状況】県内では、県南地方や会津若松市の近辺の谷沿いの湿原にごく少数生育している。太平洋側北限となっている。
【生育に影響を与えている要因】土地造成、土壌汚染
【特記事項】現状を調査し、樹林を含む生育地を保護することが望ましい。
サクラバハンノキ
 

 

絶滅危惧T類 ブナ科

ツクバネガシ
Quercus sessilifolia Blume

【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】常緑高木。樹高20m、径60pに達する。若枝は灰黒色または灰褐色で白色の星状軟毛を密生するが、すぐ無毛となる。冬芽は長楕円形または楕円形で先は鋭形。葉は互生し、長さ4−12oの柄を持ち、革質、葉身は広披針形、先は鋭尖形、長さ5−12p、上半部に少数のやや鋭い低鋸歯がある。葉の表面にはじめ軟毛があるがすぐに無毛、濃緑色で光沢があり、裏面淡緑色で葉脈が突出。雌雄同株、花期は5月。堅果は卵円形または楕円形で、
ドングリとなる。
【分布】宮城県・富山県以西、四国、九州に分布。
【県内の分布、生育状況】今回、いわき地域で生育が確認された。生育地が限定されている上に近年、大部分が消失。絶滅のおそれが大いにある。文献では宮城県にも記録があるが、その後確認されていないので分布の北限である可能性が高い。沢沿いの急斜面を好む傾向があり、法面崩落により伐採され、絶滅する恐れがある。
【生育に影響を与えている要因】森林伐採、土地造成、道路工事
【特記事項】現状を調査し、樹林を含む生育地を保護することが望ましい。
【主要文献】
上野雄規編.1991.北本州産高等植物チェックリスト.東北植物研究会. p141.
ツクバネガシ


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県生活環境部環境政策室自然保護グループに帰属します。
福島県生活環境部環境政策室自然保護グループの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。