レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -046/451page

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絶滅危惧T類 クスノキ科

カゴノキ
Litsea coreana Le´veille´

【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】常緑高木。幹の樹皮は鹿の子まだらにはげ落ちる。葉は互生で枝の先にやや車輪状に集まり、小型で倒披針形または倒卵状長楕円形、先は少し突出し、鈍端、長さ5〜9p、幅1.5〜4p。側脈は7〜10対、薄い革質。表面は鈍く光沢があり、裏面ははじめ長い毛があるが、後に無毛で灰白色。花期は夏で雌雄異株。花は黄色。果実は倒卵状球形、長さ7〜8o、幅6〜7o、翌年の秋に赤熟し、基部に6裂した花被裂片が残存する。
【分布】関東・福井県以西の本州・四国・九州に分布。さらに朝鮮南部にも生育する。
【県内の分布、生育状況】福島県植物誌には記載が無く、今回の調査でいわきで2ヶ所報告された。分布の北限である。空中湿度の高い渓谷のれき地に生育。自生個体数は大変少ない。生育地は局限されている。
【生育に影響を与えている要因】森林伐採、河川改修、道路工事、産地極限
【特記事項】河川改修・道路工事等では細心の注意をはらうことが望ましい。
カゴノキ
 

 

絶滅危惧T類 キンポウゲ科

レイジンソウ
Aconitum loczyanum Rapaics

【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】草原、林縁、時には林中にも生え、茎は直立するか、斜めに立ち上がるか、または曲がり、長さ30〜80p、多少とも角ばり、特に上部に曲がった毛があり、しばしば分枝する。根出葉は長い葉柄があり、腎円形で幅5〜17p、5〜7中裂する。葉の表面は有毛、裏面、特に脈上及び葉柄には少し曲がった毛がある。花期は9〜10月。花序は総状で下部で分枝。花柄は長さ10〜15oで、開出した毛を密生。花は長さ23〜28o、淡紅色である。
【分布】関東以西の本州〜九州の暖帯上部〜温帯に分布。
【県内の分布、生育状況】福島県植物誌では路川・木場(1985)が八溝山で記録されたものを記載しているが、今回の調査で3ヶ所の生育地が確認された。いずれも渓流近くの明るい林床である。宮城県に記録がないので北限と思われる。水環境などの変化により減少している。
【生育に影響を与えている要因】観光開発、土地造成、園芸採取
【特記事項】生育地が極限しているので、周辺の環境を保全することが望ましい。
レイジンソウ


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福島県生活環境部環境政策室自然保護グループの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。