サンリンソウ |
Anemone stolonifera Maxim. |
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【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】林縁や林床に生える多年草。匐枝を出して繁殖するので群生する。根茎は太く短く、古い根出葉の葉鞘の繊維で被われ、数枚の根出葉と1〜3本の花茎を束生する。根出葉は3出複葉で、小葉は小葉柄があり、側小葉はさらに2深裂する。各片はやや2回羽状に欠刻する。茎葉は3枚が輪生し、有柄で、3深裂し、裂片はさらに欠刻。6〜7月頃、径約1.5pの白花を1〜4個つける。そう果は数個、卵形で細毛がある。
【分布】中部地方以北・北海道。国外では朝鮮・中国東北部の温帯上部〜亜寒帯に分布。台湾の山地に隔離分布。
【県内の分布、生育状況】福島県植物誌には5ヶ所記載されているが、今回の調査では旭岳(赤崩山)で確認された。他の箇所については確認できなかった。生育地は極めて限られているので、保護には十分に留意する必要がある。
【生育に影響を与えている要因】踏みつけ、園芸採取
【特記事項】森林を含む生育地の環境を保全するとともに、鑑賞のための採取・販売・栽培をしないことが望ましい。
カザグルマ |
Clematis patens Morr. et Decne. |
全国カテゴリー;絶滅危惧U類
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【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化B全ての個体群で強い捕獲・採取圧により減少
【形態】主として林縁に生える落葉性のつる草で、茎は褐色で木化する。葉は羽状複葉、小葉は3〜5枚、卵形で先は尖り鋸歯はない。今年伸びた枝に1〜3対の葉をつけ1個の花を頂生する。花期は5〜6月。花は上向きに完全に開き、径7〜12p。がく片は8枚で、淡紫色または白色、狭倒卵形、上部は広がり、先端は急にとがる。そう果は広卵形、長さ5o、花柱は3〜4pで強く曲がり、黄褐色の長毛がある。
【分布】本州・四国・九州北部に分布。国外では朝鮮・中国東北部の南部に分布。
【県内の分布、生育状況】福島県植物誌には中通り、会津地方で7ヶ所の生育地が記載されていたが、今回の調査では中通りの中・北部で5ヶ所確認された。花が大きく目立つので園芸採取の危険が大いにある。林縁や湿地にも生育する。
【生育に影響を与えている要因】遷移進行、園芸採取
【特記事項】森林を含む生育地の環境を保全するとともに、鑑賞のための採取・販売・栽培をしないことが望ましい。