レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -048/451page
絶滅危惧T類 キンポウゲ科
ヒメバイカモ Ranunculus kazusensis Makino 全国カテゴリー;絶滅危惧TA類【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】沈水性の水生植物。草長は50〜100p。葉は長さ3〜5p。糸状に細裂する。6〜8月、葉腋から水面に柄を伸ばして、径1p前後の白色の花をつける。花弁は普通5枚であるが、ときに7〜8枚になることもある。水が干上がると陸生形をつくる。花柄が1〜3pで、そう果に毛がない点でバイカモから区別される。一年草。
【分布】北海道・本州・九州に分布する。国外では朝鮮に分布する。
【県内の分布、生育状況】池沼にまれに生育している。かつていわき市小川町関場に生育していたが、そこでは絶滅した。しかし、同市内にもう1ヶ所生育しているとの情報がある。
【生育に影響を与えている要因】水質汚濁、池沼開発、草食性大型魚類の放流
【特記事項】汚水や農薬の流入を防ぐとともに、工事などの際は浅瀬や湿地を残して生育環境を保全することが望ましい。また、ソウギョなどの放流を抑制することも重要である。
【主要文献】
薄葉満.1987.福島県の興味ある水生植物V.フロラ福島5:8.
絶滅危惧T類 キンポウゲ科
イトキンポウゲ Ranunculus reptans L. 全国カテゴリー;絶滅危惧TB類【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少B全ての個体群で強い捕獲・採取圧により減少
【形態】池や沼の縁に生える多年草。根出葉は糸状で、長さ3〜10p、幅1〜1.5o、鋸歯はない。茎は細くて緑色、長く地上をはい、まばらに分枝し、節からひげ根と茎葉をだす。茎葉はまもなく根出葉と同じ大きさになる。茎や枝の先から長さ2〜6pの花柄を直立し、1花をつける。花は径6.5〜8oで、がく片は5個、花弁は5〜9個ある。花期は7〜8月。集合花は球形で約4o。そう果は卵円形で長さ1o、花柱は短く先はかぎ状に曲が
る。
【分布】北海道の空沼、群馬県の尾瀬・野反湖、栃木県の刈込湖などに分布し、北半球の亜寒帯全域に広く分布する。
【県内の分布、生育状況】尾瀬沼畔のみに生育している。
【生育に影響を与えている要因】産地局限、踏みつけ、水質汚濁、園芸採取
【特記事項】生育地は特別天然記念物・日光国立公園特別保護地区で採取は禁止されている。