レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -049/451page
絶滅危惧T類 メギ科
ナンブソウ Achlys japonica Maxim. 【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化B全ての個体群で強い捕獲・採取圧により減少
【形態】高さ20〜30pで全体に毛がない。葉は長さ6〜10p、幅4〜8p、無柄の3小葉からなる。頂小葉は倒卵形で、先が3浅裂、側小葉はゆがんだ扇形で、先が波状に浅裂し、裂片の先は鈍い。5〜6月頃、白色で径約7oの無柄の花がやや多数、穂状花序につく。花糸の長さは不揃いである。袋果は腎形で、長さ3〜4o。
【分布】北海道と本州北部の主として温帯の落葉広葉樹林の林床に生育。国外では中国北部・東北部に分布。
【県内の分布、生育状況】下郷町の風穴でのみみられる。道路工事などで生育地が攪乱され、さらに園芸採取が目立ち、絶滅に瀕している。この下郷町の生育地がおそらく、分布の南限と思われる。
【生育に影響を与えている要因】風穴の崩壊、産地局限
【特記事項】風穴の維持管理の継続が望ましい。
絶滅危惧T類 メギ科
トガクシソウ(トガクシショウマ) Ranzania japonica (T. Ito ^) T. Ito ^ 全国カテゴリー;絶滅危惧U類【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化B全ての個体群で強い捕獲・採取圧により減少
【形態】高さ30〜50pで、茎や葉には毛がない。小葉はほぼ円心形、長さ幅ともに8〜12p、欠刻状に浅裂するかまたは中裂し、掌状脈がある。先端は尖り、基部は心状に湾入し長い小葉柄がある。花期は5月下旬〜6月上旬、淡紫色で径約2.5pの花が3〜5個、それぞれ長さ4〜8pの花柄につき、下向きに咲く。雄しべは触れると内へ曲がる。花後、花柄は伸長して10pを越える。液果は楕円形で白色、長さ約18o。
【分布】本州中北部の多雪地帯の落葉樹林の林床にまれに分布。日本特産種。
【県内の分布、生育状況】尾瀬をふくむ檜枝岐村、只見町、西会津町などの7ヶ所で記載された。水はけの良い斜面に自生。踏みつけや園芸採取で減少している。
【生育に影響を与えている要因】産地局限、園芸採取
【特記事項】生育地の環境を保全するとともに、鑑賞のための採取・販売・栽培をしないことが望ましい。