レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -054/451page
絶滅危惧T類 ユキノシタ科
イワネコノメソウ Chrysosplenium echinus Maxim. 【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少
【形態】根出葉は花時には枯れて残らない。茎葉は1〜2対生し、葉身は扇形または円腎形で、長さ2〜8o、幅3〜10o、基部は切形または広いくさび形で、上縁には3〜5対の内曲する鋸歯がある。花後、花茎の基部から地上性の走出枝を生じ、4〜5対の大型の葉をつけ、先端にロゼットをつくらない。花期は4〜5月。花は径3〜5o、がく裂片は裂開し、緑色でときに部分的に暗赤紫色を帯びる。種子には乳頭状突起を生じる。
【分布】本州(関東〜東海地方)・四国・九州に分布する。日本特産種で、福島県が分布の北限である。
【県内の分布、生育状況】浜通り地方を主に中通りの一部の地域に分布し、樹林に被われた沢に沿う陰湿な砂地に生育している。
【生育に影響を与えている要因】森林伐採、河川開発
【特記事項】渓谷林を含め渓谷全体の環境を保全することが望ましい。
絶滅危惧T類 ユキノシタ科
オオシラヒゲソウ Parnassia foliosa Hook. f. et Thoms. var japonica (Nakai) Ohwi 【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少
【形態】シラヒゲソウの変種で、原種によく似ているが、全体に大型である。根出葉の葉身は長さ幅とも4〜6pで、茎葉はやや数が少なく2〜4個。花は径3〜3.5pになり、花弁は縁毛も含めて長さ1.6〜1.8pになる。仮雄しべは良さ約5o。
【分布】本州(秋田県〜兵庫県)の日本海側に分布する。
【県内の分布、生育状況】会津地方西南部の一部の地域に分布し、河川流域の湿った岩上などにまれに生育している。
【生育に影響を与えている要因】河川開発、園芸採取
【特記事項】生育地の環境を保全するとともに、鑑賞のための採取・販売・栽培をしないことが望ましい。