レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -056/451page

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絶滅危惧T類 バラ科

カラフトダイコンソウ
Geum macrophyllum Willd. var. sachalinense (Koidz.) H. Hara

【選定根拠】県内における生育地がごく少ない。分布する他県においてもしばしば絶滅が危惧されている。
【形態】全体に黄赤色の剛毛の多い多年草。根出葉は有柄の羽状複葉で、側小葉は極めて小型で1〜2対、頂小葉は円形。茎葉は側小葉がなく卵円形で下部3浅裂、上部3中裂。托葉は小さく卵状披針形で多くは全縁。花は黄色で径約15o、花柄に開出する長毛がある。集合果は球形で、花柱には有柄の腺を散生する。オオダイコンソウは茎葉が3〜5小葉からなり、集合果は紡錘形、県内に多いダイコンソウは根出葉の側小葉はより大きく、花柄に短毛を密生するが開出する長毛はない。
【分布】ロシア(樺太、千島)および日本。国内では北海道、東北(青森、宮城、秋田、山形、福島)、中部の山地に生える。
【県内の分布、生育状況】県内では会津の尾瀬周辺のみで報告がある。以前からの増減は不明である。
【生育に影響を与えている要因】産地局限
【特記事項】産地である尾瀬の植生全体を適切に保全することが望ましい。
カラフトダイコンソウ
 

 

絶滅危惧T類 バラ科

リンボク
Prunus spinulosa Siebold et Zucc.

【選定根拠】県内における生育地がごく少ない。福島県が北限である。
【形態】高さ7mになる常緑の小高木。葉柄は長さ8〜10o、葉身は倒披針状長楕円形または狭長楕円形、長さ7〜9p、鋭尖頭、上半分にまばらな鋸歯があるか全縁。当年枝の上部葉腋から葉のない、長さ5〜8pで、短毛を密生する穂状の花序を出す。花は花序に多数つき、花柄は長さ2〜3oで短毛を密生し、花弁は白色。果実は長楕円形で長さ9o、紫褐色から黒紫色。
【分布】日本固有で本州(福島以南)、四国、九州、琉球の山地の谷間などに生える。福島県が北限である。
【県内の分布、生育状況】茨城県北茨城市が北限と見られていたが、1990年代になって浜通りのいわき市の4カ所で発見・報告された(堀1992)。今のところいわき市内の数カ所の主にスギ・アカマツの植林や竹林で知られるのみである。成木はほとんど見られない。以前からの増減は不明である。
【生育に影響を与えている要因】産地局限
【特記事項】福島県が北限である。生育地であるスギ・アカマツの植林を適切に管理し、生育環境を良好に維持することが望ましい。
【主要文献】
堀富雄.1992.福島県新産植物と稀産植物の新産地.フロラ福島10:23-29.
リンボク


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