レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -057/451page

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絶滅危惧T類 バラ科

オオタカネバラ(オオタカネイバラ)
Rosa acicularis Lindl.

【選定根拠】県内では分布が風穴や高山など特殊な環境に限られ、生育地が少ない。本州では産地が多くない。分布する他県でもしばしば絶滅が危惧されている。
【形態】高さ1〜1.5mの落葉低木で、枝に帯白色の刺針がある。葉は羽状複葉、小葉は5〜7枚で長楕円形または楕円形、長さ4〜6p、鋸歯縁、葉の裏面は帯白色で主脈上に伏毛がある。花は枝の先に1(〜2)個つき、径4〜5p、紅紫色。果実は液果状で倒卵状長楕円形。
【分布】ロシア(極東地域)、中国、朝鮮、日本に分布する。日本では北海道、東北(各県)、中部の高山に生える。
【県内の分布、生育状況】これまでに会津の尾瀬、中山風穴、中通りの福島市から報告がある。いずれも風穴や高山など特殊な環境に生育が限られる。今回の調査では以前からの減少は見られなかった。
【生育に影響を与えている要因】園芸採取、産地局限
【特記事項】産地である尾瀬や中山風穴の植生全体の適切な保全を行えば、本種も保護できると考えられる。園芸用の採取、販売、栽培をしないことが望ましい。
 

 

絶滅危惧T類 バラ科

タカネバラ(タカネイバラ)
Rosa nipponensis Cre´pin

【選定根拠】県内における生育地が少ない。全国的にも産地が多くない。分布する他県においてもしばしば絶滅が危惧されている。
【形態】高さ1〜1.5mの落葉低木で、枝に帯白色の刺針がある。葉は羽状複葉、小葉は9〜11枚で長楕円形または楕円形、長さ1〜2.5p、鋸歯縁、葉の裏面は帯白色で主脈上に伏毛がある。花は枝の先に1(〜2)個つき、径3.5〜5p、暗紅紫色。果実は液果状で倒卵状狭紡錘形、長さ1.5〜2p、黄赤色。オオタカネバラとは小葉の数や小葉の大きさがよい区別点となる。
【分布】日本固有で東北(宮城、秋田、山形、福島)、関東、中部、四国の針葉樹林帯、ハイマツ帯に生える。
【県内の分布、生育状況】これまでに会津の磐梯山、中通りの西白河郡から記録がある。以前からの増減は不明である。
【生育に影響を与えている要因】園芸採取
【特記事項】現存する個体群の生育環境を良好に維持することが望ましい。園芸用の採取、販売、栽培をしないことが望ましい。


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