レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -059/451page
絶滅危惧T類 バラ科
イワシモツケ Spiraea nipponica Maxim. 【選定根拠】県内での生育地が少ない。全国的に見ても生育地が多くない。
【形態】高さ1〜2mの落葉低木で、茎は無毛でよく分枝する。葉は単葉で狭長楕円〜広楕円形または倒卵形で、円頭または鈍頭、長さ1〜4.5pで、全縁または先端に2〜3の鈍鋸歯があり、両面無毛。花は頂生の散房花序またはときに複散房花序に集まる。花は白色で径6〜7o、がく裂片は卵状三角形で長さ約1o、果時に宿存し、直立する。袋果は直立し、長さ3〜4o、無毛または軟毛がある。県内に多いマルバシモツケは葉に基部を除いて鋸歯があり、複散房花序である。
【分布】日本固有で東北(岩手、宮城、山形、福島)、関東、中部、近畿の山地の岩場に生える。
【県内の分布、生育状況】これまで浜通りの鹿島町といわき市から報告があるのみである。
【生育に影響を与えている要因】産地局限、園芸採取
【特記事項】生育地である岩場を良好な環境で残すことが望まれる。園芸用の採取、販売、栽培をしないことが望ましい。
絶滅危惧T類 フウロソウ科
グンナイフウロ Geranium eriostemon Fisch. var. reinii (Franch. et Sav.) Maxim. 【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少
【形態】高さ30〜50pの多年草。茎に開出するあらい毛と腺毛がある。根生葉は多数、茎葉は1〜2枚が互生し最上部のものが対生する。葉身は幅5〜12pで掌状に5〜7深裂し、裂片はさらに3浅裂し、小裂片には2〜4の大きな鋸歯があり、両面に開出毛が密生する。花は紅紫色で径2.5〜3p、十数個が集散状に集まる。さく果は花柱分枝
を含めて長さ3〜3.5p、果体の基部付近に開出する長毛、全体に細毛と開出する腺毛が密生する。県内の高山にみられるハクサンフウロはふつう茎葉がすべて対生する。
【分布】日本固有で北海道西部、東北(宮城、福島、山形)、中部の低山帯から高山帯の開けた草地に生える。
【県内の分布、生育状況】県内では会津の磐梯山のみで報告がある。今回の調査でお花畑で群生しているのが確認されたが、個体数はやや減少していた。
【生育に影響を与えている要因】産地局限、踏みつけ、園芸用採取
【特記事項】産地である磐梯山全体の適切な保全を行えば、本種も保護できると考えられる。また、園芸用の採取、販売、栽培をしないことが望ましい。