レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -066/451page
絶滅危惧T類 スギナモ科
スギナモ Hippuris unlgaris L.
【選定根拠】尾瀬ヶ原と尾瀬沼にのみ生育している。A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】抽水または沈水性の水生植物。草長30〜70p。茎の各節に線形の葉が6〜12枚輪生する。気中葉は長さは1〜1.5p、沈水葉は長さ2〜5pで膜質。6〜8月、葉腋に紅色の小花をつける。花はがく筒が花冠状となったもので、本来の花冠は無い。雌芯1本と雄芯1本のみある。多年草。
【分布】北海道・本州中部以北、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、グリーンランド、オーストラリアに分布する。
【県内の分布、生育状況】天然の湖沼に生育する。本県では尾瀬のみに分布している。尾瀬では沈水状態で生育している場合が多い。
【生育に影響を与えている要因】産地局限、他種(コカナダモ)との競合
【特記事項】寒地清水性の植物なので、水温と水質管理が重要。尾瀬沼では、コカナダモの除去が必要である。また、魚類の放流は本種の生存に悪影響を及ぼす。
【主要文献】
福島県植物誌編さん委員会.1987.福島県植物誌.481pp.福島県植物誌編さん委員会.いわき.
絶滅危惧T類 ウコギ科
ミヤマウド Aralia glabra Matsum.
【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】ウドに似た80〜100pの多年草。茎は細長く無毛で、葉柄とともに紅紫色。葉は2〜3回出羽状複葉、小葉は質薄くまばらな毛がある。散形花序はまばらな円錐花序状で花数は少ない。花期は6〜8月、花弁は帯紫緑色。腋果は球形、黒紫色、径3o。
【分布】本州(福島・関東・中部)に分布する。
【県内の分布、生育状況】主に会津の深山の亜高山帯の谷陰。本県が北限。
【生育に影響を与えている要因】森林伐採
【特記事項】森林を含む生育地の環境を保全することが望ましい。