レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -070/451page
絶滅危惧T類 ゴマノハグサ科
オオアブノメ Gratiola japonica L.f 全国カテゴリー;絶滅危惧U類【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】草高10〜20p。全体肉質で柔らかい。葉は長楕円状披針形で、長さ1〜2p。互生する。6〜7月、葉腋に白色の花を1個ずつつける。花は唇形で、径7〜8o。閉鎖花である場合が多い。さく果は球形、径約5o。1年草。
【分布】北海道・本州・四国・九州、朝鮮、中国、ウスリーに分布する。
【県内の分布、生育状況】低地の水田や休耕田にまれに生育する。かつては郡山市や須賀川市にも生育していたが、今回の調査では鹿島町の水田で確認されただけである。
【生育に影響を与えている要因】農薬による除草、土地造成、遷移進行、圃場整備
【特記事項】水田では、低農薬による耕作の継続、休耕田では水管理や田起こしなどの維持管理作業を行うのが望ましい。手を加えずにおくと植生遷移の進行により、消滅する恐れもある。
【主要文献】
福島県植物誌編さん委員会.1987.福島県植物誌.481pp.福島県植物誌編さん委員会.いわき.
絶滅危惧T類 ゴマノハグサ科
ハマウツボ Orobanche coerulescens Stephan 【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】葉緑素を持たない寄生植物でキク科ヨモギ属の特にカワラヨモギに寄生する。茎は黄褐色で太く、直立し、まばらに白色の軟毛がある。鱗片葉は卵状披針形でまばらに毛がある。花穂は紫色でウツボグサに似ている。
【分布】北海道、本州、四国、九州、琉球、ユーラシアの海岸や川原の砂地に生える。
【県内の分布、生育状況】いわき市の砂浜に分布する。
【生育に影響を与えている要因】海岸工事、寄生宿主の激減
【特記事項】生育地である海岸を良好な環境で保全することが望ましい。
【主要文献】
高橋秀男.1990.野草大図鑑.北隆館.初版. p340.