レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -072/451page

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絶滅危惧T類 オモダカ科

スブタ
Blyxa echinosperma (Clarke) Hook. f.
全国カテゴリー;絶滅危惧U類

【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】沈水〜抽水性の水生植物。草高10〜15p。茎は極めて短く、葉は線形で長さ10〜15p。根生状。8〜10月、がく筒を水面に伸ばし、繊細で小さな白色の花を開く。種子は紡錘形で、両端に尾状突起が発達するが、その長さは1〜4oまで変異がある。尾状突起の全く発達していないものはマルミスブタ(B.audertiii L. C. Rich)として区別される。一年草。
【分布】本州・四国・九州、琉球・東アジア、東南アジア、オーストラリアに分布する。
【県内の分布、生育状況】主に水田や休耕田に生育する。本県では、いわき市の山間部でのみ確認されているが、減少が著しい。
【生育に影響を与えている要因】農薬による除草、土地造成、遷移進行
【特記事項】水田では低農薬下での耕作を継続するとともに、休耕田では水管理や田起こしなどの管理作業を行うのが望ましい。手を加えずにおくと、植生遷移が進行し消滅するおそれがある。
【主要文献】
薄葉満.1996.福島県産水・湿地生植物新報知.フロラ福島14:27-29.
 

 

絶滅危惧T類 ヒルムシロ科

コバノヒルムシロ
Potamogeton cristatus Regel et Maack
全国カテゴリー;絶滅危惧TB類

【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】浮葉性の水生植物。茎は糸状。浮葉は披針形で長さ2〜2.5p。沈水葉は針形で幅0.3〜0.5o。6〜9月、水面に穂状の花序を抽出させる。花序は長さ1〜1.5p。しばしば、ホソバミズヒキモと誤認される。コバノヒルムシロは花柱が長く、果実背稜にはとさか状の著しい突起があることで区別される。多年草。
【分布】本州・四国・九州、朝鮮・中国に分布する。
【県内の分布、生育状況】おもにため池に生育する。本県ではいわき市の低地でのみ確認されている。
【生育に影響を与えている要因】水質汚濁、池沼開発、草食性大型魚類の放流
【特記事項】汚水や農薬の流入を防ぐとともに、工事などの際は浅瀬や湿地を残して生育環境を保全することが望ましい。また、ソウギョなどの放流を抑制することも重要である。
【主要文献】
薄葉満.1996.福島県産水・湿地生植物新報知.フロラ福島14:27-29.
コバノヒルムシロ


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福島県生活環境部環境政策室自然保護グループの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。