レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -073/451page
絶滅危惧T類 ヒルムシロ科
ササバモ Potamogeton malaianus Miq. 【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】沈水性の水生植物。茎は太さ2〜3o、長さ1〜2m。葉は線形で長さ5〜15p、膜質。7〜9月、水面に長さ3〜4pの穂状花序を抽出する。水深が浅いと浮葉を生じることがある。多年草。
【分布】本州(岩手県以南)・四国・九州・琉球、朝鮮・中国・東南アジアに分布する。
【県内の分布、生育状況】会津盆地の小川にまれに生育している。かつて郡山市を流れる阿武隈川にも生育していたが、そこでは絶滅した。本県では、河川でのみ確認されている。
【生育に影響を与えている要因】河川改修、水質汚濁
【特記事項】河川改修にあたっては三面コンクリートを避けるのが望ましい。浚渫する場合は、群落の一部を残すか、種子や越冬芽を含む土壌を元に戻すようにするのが望ましい。
【主要文献】
薄葉満.1996.福島県産水・湿地生植物新報知2.フロラ福島14:27-29.
絶滅危惧T類 ヒルムシロ科
カワツルモ Puppia maritima L. 全国カテゴリー;絶滅危惧TB類【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】沈水性の水生植物。茎は糸状。葉は針形で長さ5〜10p、基部が葉鞘となって茎を抱く。6〜8月、糸状の総花柄が出て水面近くに花を開く。花には花弁もがく片もない。リュウノヒゲモに似ているが、カワツルモの葯隔付属突起は痕跡的で花後に総花柄および心皮の柄が伸長する点で異なる。多年草。
【分布】日本全国、全世界に広く分布する。
【県内の分布、生育状況】浜通り地方の海浜の汽水域にまれに生育している。かつて新地町今神に多数生育していたが、海岸開発のため消滅した。
【生育に影響を与えている要因】海岸開発、土地造成、水質汚濁
【特記事項】汚水や農薬の流入を防ぎ、浅瀬や湿地を残して生育環境を保全することが望ましい。また、潮の干満の影響を受けるよう生育域の一部を海に開いておくことも重要である。
【主要文献】
福島県植物誌編さん委員会.1987.福島県植物誌.481pp.福島県植物誌編さん委員会.いわき.