レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -075/451page

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絶滅危惧T類 シバナ科

オオシバナ(マルミノシバナ)
Triglochin maritimum L.
全国カテゴリー;絶滅危惧U類

【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】草高20〜40(50)p。葉は根生し、長さ10〜30p。針形で断面は半円形、ときに扁平となる。5〜9月に花茎を出し、多数の花が総状につく。花には花弁もがく片もなく、葯隔付属突起が発達して花被片のような外観を呈する。相馬市周辺のものは花茎が葉よりも長く、果実は卵形、葉幅1〜3oで北方系のマルミノシバナにあたるが、変異が多い。多年草。
【分布】北海道・本州(関東地方以北)、北半球の温帯に広く分布する。
【県内の分布、生育状況】海岸付近の汽水域の湿地に生育している。かつてはいわき市にも分布していた記録があるが、現在は見られず、相馬市周辺に分布するのみである。
【生育に影響を与えている要因】土地造成、海岸開発
【特記事項】汚水や農薬の流入を防ぎ、浅瀬や湿地を残して生育環境を保全することが望ましい。また、潮の干満の影響を受けるよう生育域の一部を海に開いておくことも重要である。
【主要文献】
福島県植物誌編さん委員会.1987.福島県植物誌.481pp.福島県植物誌編さん委員会.いわき.
オオシバナ(マルミノシバナ)
 

 

絶滅危惧T類 イネ科

タチドジョウツナギ
Puccinellia nipponica Ohwi

【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】塩生で多年草のイネ科植物。稈は束生、高さ30〜70p。葉身は長さ6〜20p、幅2〜3o。円錐花序は、枝が直立し、細く密に見える。花序の枝には小刺針が散在する。小穂も小枝も淡緑色。小穂は長さ4〜6o、3〜4個の小花からなる。包穎も護穎も背は円く、第一包穎は1脈、第2包穎は3脈、護穎は5脈(ドジョウツナギ属は7脈)。
【分布】北本州太平洋岸、朝鮮・中国北部、ウスリーに分布する。
【県内の分布、生育状況】県内では相馬市松川浦の中州にのみ生育しており、ここが南限となる。海辺の岩板、砂質地及び湿地を生育地とするが、近年生育環境が人為により変化し、個体群が減少している。
【生育に影響を与えている要因】護岸工事
【特記事項】海辺、河川および河口付近の湿地の植生・環境保全を考慮した管理が望まれる。
タチドジョウツナギ


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福島県生活環境部環境政策室自然保護グループの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。