レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -076/451page

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絶滅危惧T類 ウキクサ科

ヒンジモ
Lemna trisulca L.
全国カテゴリー;絶滅危惧TB類

【選定根拠】A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】水面下を漂う水生植物。三角状広披針形をした長さ7〜10oの葉状体が多数集まって群生する。根は1本であるが、全く無いこともある。多年草。
【分布】北海道・本州、南米をのぞいた全世界に分布する。
【県内の分布、生育状況】湧水地や清冽な水の流れる溝中に生育する。本県では猪苗代町にのみ生育している。
【生育に影響を与えている要因】産地局限、土地造成、諸開発整備に伴う湧水の減少、水質の変化
【特記事項】生育地周辺の工場建設や宅地開発にあたっては、地下水脈に影響がないか十分な調査を行うことが望まれる。また、生育地には汚水や農薬が流入しないよう配慮することが望ましい。
【主要文献】
高橋源三.1973.猪苗代湖ニ産スル毬苔ノ発見竝ニ其成因ニ就テ.植物研究雑誌13(7):51-58.
斎藤慧.1991.カードよりV.会津生物同好会会誌29:27-31.
ヒンジモ
 

 

絶滅危惧T類 カヤツリグサ科

ダケスゲ
Carex paupercula Michx.
全国カテゴリー;絶滅危惧TB類

【形態】高層湿原に生える多年草で、走枝を生じる。茎は高さ20〜40p、葉は幅2〜3o、基部の鞘は褐色でわずかに繊維状に細裂する。ヤチスゲに酷似するが雌小穂が多いこと(2〜3)と雌鱗片が脱落性また果苞の脈が不明なこと、ほぼ無嘴なことにより区別できる。花期は6〜7月、柱頭は3個。
【分布】八幡平、吾妻、苗場山、妙高山、黒姫山、北アルプス、御岳、白山に分布する。国外では、周北極地方に点在する。
【県内の分布、生育状況】吾妻連峰の中央部の高層湿原だけにしか自生は確認されていない。量が少なく湿原の池塘だけにヤチスゲと共生しているので年々ダケスゲは減少している。
【生育に影響を与えている要因】踏みつけ
【特記事項】生育地での踏みつけを防止するとともに周辺の環境を保全することが望ましい。
【主要文献】
清水建美.1983.原色新日本高山植物図鑑(U).保育社.
古川純幹.1958.日本スゲ属植物図譜北陸の植物.


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