レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -077/451page
絶滅危惧T類 カヤツリグサ科
ヒロハイッポンスゲ Carex pseido-loliacea Fr. Schm. 全国カテゴリー;絶滅危惧TB類【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生育地で生育条件が悪化
【形態】ミズゴケ湿原に生える多年草で疎に叢生する。茎は高さ20〜40p。基部の鞘は褐色〜赤褐色、葉は灰緑色で幅1.5〜3o、小穂は3〜4個で灰白色ですこし淡汚黄色を帯びる。小穂は稈頂に密集し雌雄性で基部の少数は雄性、他は雌性で長さは4〜7oである。柱頭は2本。果苞は長楕円形で長さ3.5〜4o、多数の太い脈がある。上部は急に狭くなりほとんど嘴はない。口部は2歯となる。6〜7月に熟す。
【分布】北海道・福島県・山形県に分布する。国外では、樺太・千島に分布する。
【県内の分布、生育状況】吾妻連峰の尾根部に生育する。
【生育に影響を与えている要因】踏みつけ、登山道の整備
【特記事項】生育地での踏みつけを防止するとともに、競合するイネ科植物の除去が望まれる。
【主要文献】
杉本順一.1973.日本草本植物総検索誌単子葉編.井上書店.
秋山茂雄.1955.極東亜産スゲ属植物北海道大学.
絶滅危惧T類 カヤツリグサ科
ヒロハオゼヌマスゲ Carex traiziscana Fr. Schm. 全国カテゴリー;準絶滅危惧【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少
【形態】ミズゴケ湿原に近い林内草地に生える多年草。根茎は疎に叢生し、茎の高さ40〜60p。葉は白緑色で幅3〜4o。小穂は多少ジグザグに曲がり中軸に穂状につく。小穂の基部の少数は雄花、他は雌花。雌花の鱗片は卵形で赤褐色、背部は淡色の1脈になる。果苞は広楕円形で長さ3o、斑点が密布し多数の脈があり、短に嘴になり口辺は微かに2裂する。柱頭は2本。6〜7月に熟す。
【分布】北海道(北見・石狩)と尾瀬ヶ原周辺にだけ分布する。国外では、樺太・カムチャッカに分布する。
【県内の分布、生育状況】尾瀬の湿原の周辺部、ミズゴケ湿原にわずかに生育している。
【生育に影響を与えている要因】遷移進行、踏みつけ
【主要文献】
奥山春季.1983.原色日本野外植物図譜2 夏・高山植物.誠文堂新光社.
吉川純幹.1960.日本スゲ属植物図譜第三巻北陸の植物.