レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -328/451page

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絶滅 チョウ目 シジミチョウ科

オオルリシジミ
Shijimiaeoides divinus barine Leech
全国カテゴリー;絶滅危惧T類

【選定根拠】@調査や記録で絶滅を確認A複数の調査で生息が未確認
【形態】ブルー系のシジミチョウの一種で、近似種もなく同定を誤ることはないが、同時期に出現するヒメシジミ雄の飛び古した個体には注意を要する。本種雄の翅表はヒメシジミ雄クロテン型と相似するが、裏面の赤紋帯は後翅にのみ発現する。一方ヒメシジミの場合、前翅にも発現するが、古い個体では消失傾向にある。本種はマメ科のクララに依存し自生地以外では生存できない。幼虫はクララの花・蕾を食べて蛹化し来春まで越冬する。
【分布】国内では九州・本州に分布する。本州では東北と中部地方に局地的に分布する。国外では朝鮮半島に分布する。
【県内の分布、生息状況】県内では会津盆地からの採集記録がある。河沼郡若宮村(現会津坂下町)在住の新国豊七氏が、明治37年(1904)5月23日と5月28日の両日、自宅近傍の水田畝畔で採集。名和昆虫館の高野鷹蔵氏に贈呈。この標本は国立科学博物館に現存するという。採集地は基盤整備され環境の変化が著しい。
【特記事項】会津の火山性草原にはクララの群生地が多く、今後の調査に若干の希望を残している。採集地近傍の河川敷にクララは群生するが氾濫記録も多い。
【主要文献】
黒澤良彦(1990)福島県会津地方のオオルリシジミ.月刊むし,(230):7-9.
黒澤良彦(1991)(福島県会津地方のオオルリシジミ)訂正.月刊むし,(239):31.
新国豊七(1905)ギフテフの分布とオホルリシジミ並びにルリシジミの食草.昆虫世界,9(2):79.
たた(高野鷹蔵)(1905)会津平原ノ胡蝶.博物之友,5(24):51-52.


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