レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -330/451page
絶滅危惧T類 トンボ目 トンボ科
マダラナニワトンボ Sympetrum maculatum Oguma 全国カテゴリー;絶滅危惧T類【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少A全ての生息地で生息条件が悪化
【形態】腹長21〜24o、後翅長23〜27o。若い個体は黒地に黄色の明るい斑紋があるが、成熟すると暗い色調の斑紋に変わる。アカトンボの仲間だが赤くならない。
【分布】日本特産。本州のみに分布し、産地は西日本に多く、東北地方では秋田、山形および福島県のみに分布し、産地は極めて限られる。
【県内の分布、生息状況】会津若松市と磐梯町のスゲやカヤツリグサなど、草丈の低い植物が繁茂した湿地で確認されているが、磐梯町では近年、生息地の環境が変わって確認できない。会津若松市の産地でも個体数はやや減少している。
【生息に影響を与えている要因】湿地乾燥湿地開発池沼開発
【特記事項】会津若松市では赤井谷地の周辺部を含む生息地の保護活動を進めており、今後の発生動態が注目される。
【主要文献】
横井直人・三田村敏正(1983)福島県初記録のトンボ2種.TOMBO,26(1-4):26.
横井直人・(1986)磐梯町法正尻のトンボ(第1報) 8月上・中旬のトンボ.ふくしまの虫,(4):9-11.
横井直人・三田村敏正(1986)法正尻および周辺地域のトンボ相(第2報)、ふくしまの虫.(5):19-23.
横井直人・三田村敏正(1987)会津若松市赤井谷地のトンボ相.ふくしまの虫,(6):26-28.
絶滅危惧T類 トンボ目 トンボ科
タイリクアカネ Sympetrum striolatum imitoides Bartenef 【選定根拠】@全ての個体群で個体数が減少
【形態】腹長26〜30o、後翅長27〜34o。アキアカネをやや大きくしたようながっしりしたタイプの中型アカトンボ。
【分布】北海道、本州、四国、九州に分布するが、産地は局地的で、東北では青森、岩手、宮城、福島の太平洋沿岸にわずかに産地があるのみ。
【県内の分布、生息状況】相馬市松川浦の沼でのみ生息が確認されている。また、かつて松川浦大州の湿地で羽化も確認されているが、近年、この生息地は埋め立てられ消滅している。
【生息に影響を与えている要因】海岸開発
【特記事項】 【主要文献】
長谷川道明(1983)福島県のタイリクアカネ.月刊むし,(154):35-36.
三田村敏正(1986)福島県初記録のトンボ3種.ふくしまの虫,(5):7-8.