レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -332/451page

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絶滅危惧T類 チョウ目 タテハチョウ科

オオウラギンヒョウモン
Fabriciana nerippe C.et R Felder
全国カテゴリー;絶滅危惧T類

【選定根拠】D過去(30〜50年)の生息確認後、情報なし
【形態】一見ウラギンヒョウモンに似るが、本種の方が大型であること、後翅表の外縁の斑紋がハート型であることにより区別できる。
【分布】国内では、本州、四国、九州に分布する。南西日本では少ないながら分布しているが、中部以北では絶滅状態にある。国外では、中国大陸、朝鮮半島などにも分布する。
【県内の分布、生息状況】県内では、いわき市において、1951年に記録がある。生息可能な草原として、調査の入らない演習場などが考えられる。
【生息に影響を与えている要因】草地開発農薬汚染草地減少
【特記事項】草原性の種であるため、生息地では農薬の空中散布は行わないことが望ましい。また、草原の草刈り等の維持管理を行うこと、宅地開発、開墾には十分注意することが望ましい。
【主要文献】
小泉雅弘(1953)福島県平市付近の蝶類.新昆虫,6(4):33-37.
松崎有光(1981)福島県いわき市産蝶類最近の知見.ちょうちょう,4(5):43-53.

オオウラギンヒョウモン


絶滅危惧T類 チョウ目 タテハチョウ科

ヒョウモンモドキ

Melitaea scotosia Butler

全国カテゴリー;絶滅危惧T類

【選定根拠】D過去(30〜50年)の生息確認後、情報なし
【形態】色彩斑紋は、ほかのヒョウモンチョウ類に似ているが、本種は翅形が横に長く後翅裏面の中央に広い紋のない部分があることで区別できる。雌は雄にくらべると表面の地色がずっと暗い。これはヒョウモンチョウ類に共通した特徴である。年1回の発生で、成虫は陽当たりの良い山地の湿性草原上を緩やかに飛びアザミなどで吸蜜する。食草はノアザミやタムラソウなどのキク科植物であり、3令で越冬するといわれる。
【分布】国内では、本州に限られ関東、中部地方および中国地方などに分布するが国内ではいずれの地方でも減少している。国外では、朝鮮と中国北部に分布。
【県内の分布、生息状況】本種は、本県がその分布地の北限と思われ、過去数件の記録も県南地方からのものである。生息地は、いずれも草原的環境であり、高地帯や深山にはみられない。本種の生息に必要な条件は、人工的な針葉樹林の拡大ではなく、定期的に管理された草原を含む里山的環境と思われる。
【生息に影響を与えている要因】草地開発遷移移行草地減少
【特記事項】
本種は既に幻の蝶と化しており、今後記録されるか甚だ疑わしいが絶滅とまで断定できない。
【主要文献】
田添京二(1974)福島県のゴマシジミとヒョウモンモドキ.昆虫と自然,9(11):32-33.
水野谷昭三(1998)ヒョウモンモドキの西郷村での記録.ふくしまの虫,(16):53.

ヒョウモンモドキ


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