レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -338/451page

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絶滅危惧U類 チョウ目 シジミチョウ科

ミヤマシジミ
Lycaeides argyrognomon praeterinsularis Verity
全国カテゴリー;絶滅危惧U類

【選定根拠】A大部分の生息地で生息条件が悪化
【形態】雄の翅表は青紫色をしているのに対し、雌は後翅亜外縁に橙色斑を配した暗褐色。ヒメシジミに似るが、本種の雄の翅表はより紫色が強い。また雌の後翅亜外縁の橙色斑も本種の方がより発達し大きい。
【分布】国内では、本州にのみ分布しているが、南東北、関東、中部、北陸地方が中心。国外では、ヨーロッパから中国、モンゴル、さらには北米にも分布している。
【県内の分布、生息状況】現在、分布の中心は会津地方である。以前は県北地方にも多産したが、現在ではその面影がない。本種は河川敷にのみ生息し、明るい草地を好む。食草のコマツナギは広く分布しているが、棲息地はかなり局限されている。
【生息に影響を与えている要因】河川増水河川改修
【特記事項】発生地での河川の整備には、全て草を一度に刈る方法をとらない、野火などで焼き尽くさない等の検討が必要。また、堤防の全面改修には発生地を充分考慮した方法の検討が必要。現在、会津地方では見られるが、県北地方の阿武隈川流域では個体数が減少しており、会津地方もいつ県北地方の様に姿が見られなくならないとも限らない貴重な種類である。
【主要文献】
安斎幸子(1959)福島地方に於けるミヤマシジミの生態学的研究特に発生回数及び生活史について.福島大学学芸学部生物学研究会会報,(8):44-51.
角田伊一(1981)日本産ミヤマシジミの地理的変異(上).月刊むし,(119):3-8.
角田伊一(1981)日本産ミヤマシジミの地理的変異(下).月刊むし,(120):19-24.
横井直人(1985)ミヤマシジミ梁川町に産する.ふくしまの虫,(3):5.
吉井太門、横井直人(1986)梁川町のチョウ類.ふくしまの虫,(5):12-16.

ミヤマシジミ


絶滅危惧U類 チョウ目 タテハチョウ科

ヒョウモンチョウ

Brenthis daphne rabdia Butler

全国カテゴリー;準絶滅危惧

【選定根拠】@大部分の個体群で個体数が減少A大部分の生息地で生息条件が悪化
【形態】コヒョウモンと酷似している。本種の幼虫は主にワレモコウを食するのに対しコヒョウモンはオニシモツケを食するというが、本県での確実な観察記録はない。(近似種コヒョウモンの項参照)
【分布】国内では北海道、本州(東北地方北部と北関東から中部地方)に分布。国外では、ヨーロッパからシベリア、中国まで広く分布。
【県内の分布、生息状況】県内では、甲子高原から南会津地方が分布の中心であるが、甲子高原では近年確認されていない。
【生息に影響を与えている要因】草地開発土地造成
【特記事項】ワレモコウが生育できる草原、高原性草原の保護、復活、地域の確保が望ましい。そのため、開発等の土地改変には、充分注意することが望ましい。
【主要文献】
佐久間博(1963)福島県産蝶類3種.蝶と蛾,14(1):26-27.
蜂谷剛(1958)福島県の蝶類追記.福島生物,(1):37-38.

ヒョウモンチョウ


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